6年間で3部降格、クラブ売却を経験。ウルブスが攻撃的で強いチームに生まれ変わるまで

       
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@premierleague に所属している、 ウォルバーハンプトン・ワンダラーズFC 'ウルブズ' @Wolves の 非公式 日本語ページです。※公式アカウントからの引用を除き、全ての見解はこのアカウントのものとし、公式アカウントとは関係ないものとします

ウルブズ(Wolverhampton Wanderers Football Club)とは、

ウェストミッドランズの都市であるウォルバーハンプトンに本拠地を構えるクラブ。

1882年創設。フットボールリーグの創設メンバーで、リーグ優勝も3度経験するなど、実は名門クラブなのです。

書き手

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1.近年のウルブズは?

A.~2013年の「再出発」~

2012年、ウルブズは3シーズンを過ごしたプレミアリーグに別れを告げました。さらに、その翌年、ウルブズはチャンピオンシップで23位となり、イングランド3部相当のリーグ1に降格しました。今シーズンで言えばサンダーランドと全く同じ境遇です。

さて、リーグ1まで落ちてしまったウルブズには、プレミアリーグ時代の高給取りたちを養っている余裕はありませんでした。当時の新監督であるケニー・ジャケットは、思い切って主力をほぼ全員切り捨てました。そして、イングランドでも有数のアカデミーを持つクラブは、自前の若手選手を軸にチーム作りを始めました。

リーグ1を制覇し、翌年のチャンピオンシップでも得失点差で7位。このあたりのドラマは本題ではないので泣く泣く省きますが、丸々二年をかけてようやく“高給取り”たちを放出し終えました。

B.~2015/16年の「クラブ売却」~

チャンピオンシップでのシーズンを7位で終えたウルブズ。次こそはと昇格を期すウルブズに転機が訪れました。当時のオーナーであったスティーブ・モーガンが、突如としてクラブを売りに出したのです。

そのシーズン、ウルブズは不安定な戦いぶりで、財政上の都合によりトップスコアラーだったFWベニク・アフォベをボーンマスに売却することになっても、残留争いに巻き込まれ鵜ことはなく、中位でフィニッシュ。そうして迎えた16年夏、ついにウルブズに転機が訪れます。

そう、現在のオーナーであるフォスン・グループ(復星国際)がクラブを買い取ったのです。

C. 迷走したフォスン初年度

オーナー交代で潤沢な資金を得たウルブズは、ヘルダー(エウデル)・コスタ、イバン・カバレイロ、ジョン・ダディ・ボドバルソンなど10人を超える新戦力を獲得した……それだけならまだ聞こえはいいですが、実は、オーナーが交代したのはリーグ戦が開幕するほんの数週間前。

さらに、ケニー・ジャケットに代わる新監督ウォルター・ゼンガを招聘したのは、開幕の一週間前。怒涛のペースで選手を補強したウルブズでしたが、そんな我武者羅に選手を獲得するとどうなるか……皆様ならわかりますよね?

結局、ゼンガはEFLの厳しい冬を越せずに解任され、後任のポール・ランバートも残留以上の結果を残せず、シーズン終了後にクラブを去りました。

D. チャンピオン

ランバートが去り、空位となっていた監督の座に収まったのは、なんとヌーノ・エスピリート・サント。ポルトやバレンシアを率いていたあの人です。

フォスングループの、中でもウルブズに引っ越してくるほどウルブズにコミットしているジェフ・シーは、昨年の失敗からきちんと教訓を得ていました。それは、「きちんとスカウトをすること」

チームの主軸を担うルベン・ネベス、ディオゴ・ジョタ、ウィリー・ボリーに合わせて、ヌーノが志向するプレースタイルに適した選手をピンポイントで補強しました。

それでも10人を超える獲得人数になったのは、いかに前年度の補強が的外れだったかを表しているわけで……。

潤沢な資金と優秀なスカウト陣をフル活用したウルブズは、そのシーズンのチャンピオンシップで99ポイントを獲得し見事リーグ優勝。6年ぶりにプレミアリーグに帰ってきました。

これは余談ですが、17年夏の新戦力で、現在クラブにいないのは2人のみ。12人補強してこのヒット率はスカウト陣のたゆまぬ調査のたまものですね。

2.ヌーノとネベス

おそらく、プレミアリーグのサポーター方々は、ウルブズがチャンピオンシップで演じてきた死闘の数々を振り返るよりも、今のウルブズがどうなっているかに興味があるのですよね。

ウルブズの戦いぶりをご覧になった方々はお気づきかもしれませんが、ウルブズにおいて、核となる選手はルベン・ネベスです。チーム内で唯一、ネベスだけは替えがきかない選手です。

というより、今のチームはネベスという存在を中心に組み立てられたといっても過言ではないかもしれません。

昨シーズン、ネベスを欠いたリーグ戦4試合ではわずかに1勝。パフォーマンスもネベスがいるときのそれより数段落ちるものでした。

これはただの想像ですが、ヌーノはネベスが一番輝くチームをネベスのために作り上げたのではないか、と。さすがにこれは言い過ぎですが、それでも、チームの心臓を、やすやすと他クラブに売却するはずがありません。

今夏の大型補強も、プレミアリーグに向けて戦い方を変えるのではなく、チャンピオンシップでやってきたことをさらに洗練し、プレミアリーグでも通用するようにするという意味合いが大きいと感じました。

例えば、守備面で不安のあったバリー・ダグラスを放出し、守備に定評のあったジョニー・オットーを獲得し、好不調の波が大きかったロメイン・サイスに代えて安定感があり、攻撃面・精神面でも貢献できるジョアン・モウチーニョを獲得しました。

ネベス本人も、今のところは移籍願望を口にしておらず、その代わり、ウルブズへの愛、あるいは古巣ポルトへの愛を公言しています。

すべてがネベスのため、というのは暴論ですが、ネベスの成長に合わせてクラブも順調に進歩しています。

3.UNCLE JORGE メンデスとウルブズ

おいおい、ちょっと待て。

そもそもなんでウルブズなんかがネベスなんて超逸材を、格安で、それもチャンピオンシップに連れて来れたのか?

実は、フォスングループは、“スーパーエージェント”ジョルジュ・メンデスと関わりがあるのです。メンデスのもつ企業Gestifuteの株主がフォスンであり、フォスンのジェフらとメンデスが友人関係にあるのです。

イングランドでは、第三者によるクラブ運営は禁止されています。

したがって、第三者であるメンデスはクラブ運営に携わることができません。従って、メンデスはウルブズとは何の関係も持っていません。ただ、ウルブズのオーナーと、友人関係にあるというだけです。

「そんなの屁理屈だろ」そう思うのも無理はありません。クラブのオーナーでさえ、そう思っていたのですから。

今年の初め頃、アストンビラとリーズ・ユナイテッドのオーナーが、EFLに対してウルブズのやっていることはアウトだろ!

と抗議しました。

委員会の協議の結果、この訴えは棄却され、ウルブズの言い分が正しいということになりました。

仮に、ウルブズのやっていることがアウトなら、それが始まった16年夏の時点でお触れが出ているはずです。

それを18年になって今更…大方ウルブズがリーグ首位を独走しているのが気に食わなかったからなのでしょうが。

4.「計画」の終着点

16年にフォスンがウルブズのオーナーの座に就いたとき、彼らは「2年以内のプレミアリーグ昇格」を目先の目標に設定しました。

しかし、それだけでは、ルベン・ネベスやディオゴ・ジョタ、ウィリー・ボリーといった“超大物”を説得するだけの材料になりえないでしょう。では、そんな彼らの心を動かしたのは何なのでしょう。

先に言っておきますけど、目先のお金につられたなんてことはないですよ。ネベスは昨年£25,000/wでプレーしていましたから。

おそらくフォスンは、プレミアリーグに昇格した後のことも念頭に置いていたのでしょう。

最終的なゴールは

「ウルブズをヨーロッパの強豪にすること」

しかし、それだけでは、スタート地点とゴールが遠すぎて、ただの夢物語です。

だからこその「まずは2年以内で昇格」だったのでしょう。

実際、無事に第一目標にして至上命題だったプレミアリーグ昇格を果たし、選手補強もおおむね順調に遂行したウルブズの今シーズンの目標は、何が何でも残留すること。

そのうえで、できる限り上位に進出することでしょう。

ネベスはまだ21歳ですから、今すぐにどこかに旅立つことはないでしょうが、だからといっていつまでもウルブズに残ってくれるとは限りません。急成長を続けるネベスと歩みを共にするには、ウルブズも相応のステップアップが必要です。

5.終わりに

記事の前半では、ウルブズが日陰に隠れるようになった後の日々について、簡潔にまとめてみました。

その期間に活躍した選手などは泣く泣くカットしました。

後半は、ウルブズの選手の中でもなにかと話題に上ることの多い、ルベン・ネベスを中心に、ウルブズのチーム事情を私なりの解釈で説明しました。

今回、このような素晴らしい機会をくださった内藤様、ならびにプレミアリーグパブ様には心より感謝しております。

そして、なにより、素人作で稚拙な文章に目を通していただいた方々には頭が上がらぬ思いです。これを機に、ウルブズを応援する・見てみようと思っていただければ嬉しいです。

ダイレクトマーケティング丸出しですが、ぜひウルブズジャパン@Wolves_jpnを通してウルブズの情報を得てください。

もちろん、非公式の日本語アカウントをすっ飛ばして公式アカウント(@Wolves)をフォローするのもありですよ。



【了】

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