内藤秀明
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マンチェスターユナイテッドのOB、パトリス・エブラがコーチングライセンス取得のために
指導者としてアカデミー含め、いくつかのチームの練習に指導者として参加しています。
そのためクラブ公式が直近エブラのコメントをいくつか掲載していますが、印象的な内容を紹介します。
エブラのコメント
エブラはインタビューで以下のように語っています。
レスター戦に関して、戦前には、多くの人が「タフな試合になる」と言っていた。
なぜならレスターは好調だからね。けれども言っておきたいことがる。
マンチェスター・ユナイテッドへのリスペクトはどこに行った?
人々には、ユナイテッドを恐れて欲しい。
ユナイテッドの選手たちは試合に出て、良いプレーを披露し、確実に勝利をおさめなければならない。
ウェストハム戦も簡単な試合にはならないだろう。それはわかっている。タフな対戦相手だからね。
けれども、言わなければならない。
ピッチに立てば、我々はユナイテッドだ。
チームには傲慢さ(直訳)を取り戻して欲しい
簡単ではないとしても、マンチェスターユナイテッドであることの意味を理解しなければならない。
だから人々が、ユナイテッドが大したことない話しているのを聞くと困惑するよ。まいっちゃうよね。
参照:https://www.manutd.com/en/news/detail/patrice-evra-previews-man-utd-visit-to-west-ham-on-sunday
勝利のメンタリティとは何か
太字の「傲慢さ」の部分は「arrogance」という英単語が使わています。
書いた通り、「傲慢さ」あるいは「尊大な」などの意味が入ります。
おそらく意訳するのであれば、「プライド」などが適切なのかもしれませんが、
あえて直訳のまま残しました。
個人的に思うのは、このコメントからも垣間見えるように、
ウイニングメンタリティというのは、ある種の見下すという感覚も入り込むんじゃないかなと思いますね。
「あんな相手に、勝てないのはまずい」
「格下なのだから、勝って当然」
こういう感覚なのでしょうか。
もちろん結果として油断してしまえば、それは不健全な「傲慢さ」なのでしょうが、
相手を厳しい目で見るのと同様に、自分自信も厳しく律することができれば、それは健全な「傲慢さ」であり、
日本語の「傲慢さ」からにじみ出るネガティブなニュアンスからは遠いものかもしれません。
「強者のプライド」と言い換えればいいでしょうか。
昔、ユナイテッドが前半終了時点でとあるチームに負けてロッカールームに戻ってきた際
ファーガソン監督が
「お前ら何やってるんだ。相手は●●だぞ!」
と檄を飛ばし、後半で逆転勝利を収めた…。
なんて話もありますが、やはりこのコメントからもある種の傲慢さを感じますよね。
ファーガソン時代のユナイテッドが方々から嫌われていたのは、こういう傲慢さがにじみ出ていたから、というのもあるのかもしれません。
いずれにしても、傲慢さというのは、強いチームに一定必要なものなのでしょうね。
謙虚さが美徳とされる日本人的には理解しにくい感覚だったので、ご紹介させていただきました。
(余談ですが、日本代表がワールドカップなどで負けた後、選手から「相手をリスペクトし過ぎた」などのコメントを聞くことがよくありますが、傲慢さを持つことが良しとされない文化的背景が強者のプライドを持つことを邪魔しているのかもしれませんね)