田中秀明
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マルアン・フェライニ、マッテオ・グエンドウジに続く”愛されアフロ”キャラとして今後、注目の選手がいる。
レスター・シティの守備的MFハムザ・チョードリーだ。
迷走していたレスターがチェルシー、マンチェスター・シティとの2連戦で勝利した。その立役者となった21歳は一体どんな選手なのだろうか。
書き手
少年サッカーの写真撮影を行う会社を経て、サッカー専門のウェブメディアで編集・ライターとして働いた。ウェブメディア勤務時代には、レスターの優勝を見届けた。
レスターのオーナーは、自分の誕生日になるとサポーターにドーナツとビールを大盤振る舞いする優しい人だった。
悲しい…。 https://t.co/a06pij3JnB— 田中秀明 (@h_ocho) 2018年10月29日
基本情報
国籍
イングランド
生年月日
1997年10月1日
出身地
ラフバラー(イングランド・レスターシャー州)
身長
178 cm
体重
64 kg
ポジション
MF
キャリア
7歳からレスターの下部組織で育つ。イングランドU-21代表として2018年トゥーロン国際大会に出場し、優勝に貢献した。同僚のハーヴェイ・バーンズ、リバプールのジョー・ゴメス、クリスタル・パレスのアーロン・ワンビサカ、アーセナルのエインズリー・メイトランド=ナイルズ、マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードらと同年代である。
イングランド生まれだが、父はグレナダ(カリブ海にあるイギリス連邦の構成国)、母はバングラデシュ出身。昨シーズン11月、トッテナム・ホットスパー戦でトップチームデビューを果たし、バングラデシュにルーツを持つ人物として初めてプレミアリーグでプレーした選手となった。
レスターのトップチームに復帰する以前は、2015年〜2017年までローン先のバートン・アルビオンでプレーし、チャンピオンシップ昇格に貢献。その後はレスターのU-23チームでキャプテンを務め、経験を積んだ。
チョードリーが頭角を現すまでのレスター
昨季トップチームデビューを果たしたチョードリーは、シーズンを通して8試合に出場していたが、今季はシーズン半ば12月のチェルシー戦までスタメン入りを果たせずにいた。そんな選手がなぜ大一番に抜擢されたのか、今季のチーム状況を振り返りたい。
今季レスターはクロード・ピュエル監督のもと、ショートパスを繋ぐスタイルを標榜。奇跡の優勝を成し遂げた典型的な堅守速攻スタイルからの脱却を目指していた。
開幕戦のマンチェスター・ユナイテッド戦でボランチにスペイン人のビセンテ・イボーラ(今冬ビジャレアルに移籍)、ポルトガル人のアドリエン・シウバ(今冬モナコにレンタル移籍)を起用してボール保持率の高いサッカーを展開して敗れると、監督は早々に方針転換。2節以降は守備的な役割を担うウィルフレッド・エンディディとナンパリス・メンディの2人をボランチに並べるバランス重視のスタイルにシフトした。
対人戦が強く守備では鬼のようにセカンドボールを拾い続ける2人だが、攻撃でのビルドアップ能力に難があり、相手のブロックに侵入するプレーは左SBベン・チルウェルのアーリークロス一辺倒だった。時折、右SBリカルド・ペレイラによる運ぶドリブルからチャンスメイクをするも攻撃では決定機の乏しいサッカーに終始する。
軸となってるボランチ2人はコンスタントに出場機会を得るも、ハリー・マグワイア、ダニエル・アマーティら怪我で離脱した選手の影響もあり、選手起用は迷走。アーセナル戦など数試合で3バックに挑戦したほか、2列目の選手は試合ごとに変わった。
良く言えば柔軟性の高い選手起用をし、悪く言えば最適解を見つけられないチーム編成が続いたが、もともと少ない決定機のなかでも粘り強く得点できるチームだったことから、セットプレーやPKでゴールを増やして勝ち点を積み重ねた。16節の時点では9位。その後、17節パレス戦を0-1で敗れると、内容に対する不安と結果が出なかったことからいよいよピュエル監督の解任を求める声が強まった。
そんなになかで迎えたのが18節チェルシー(1-0)、19節マンチェスター・シティ(2-1)との2連戦。レスターは完全に引いて守る、“撤退戦”をすることを決断し、そのキーマンとなったのが、チェルシー戦で今季初起用となるチョードリーだった。
プレースタイルとは
チェルシー戦では[4-5-1]の3ボランチの一角として出場した。アジリティが高く、守備で前からプレッシャーをかける場面では、相手のボールホルダーに対して正確に、猛スピードでプレスをかけ、敵の前進を遅らせる。ブロックを作って守る場面では、細かいポジショニング修正を絶えず繰り返して相手のパスコースを消す。
1-1で引き分けたリバプール戦では途中出場すると、ハーフウェイライン付近からドリブルするサディオ・マネに対して、後方から追いつき身体を投げ出してタックルを仕掛けた。ESPNのマッチレポートで「wonderful sliding tackle」と称賛された。
守備で目立った役割を果たすだけでなく、ボールを保持して攻め込む場面では、バイタルエリアのスペースで味方のSBから縦パスを受け、シンプルにはたいて、周りの選手が前を向いてボールを持てるように働く。やや空中戦の競り合いには課題が残る。
プライベート
ガールフレンドはインテリアデザイナーのオリビア・フォーンテーン。彼女には娘と2匹の犬がいて一緒に暮らしている。
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今後
出場機会と成長が見られれば代表レベルになれると現地メディアも期待を寄せており、フォクシーズのキーマンとして今後の活躍に期待が高まっている。
おまけ
日本語実況ではチョーダリーと呼ばれるも、現地のインタビューを聞く感じでは、チョードリやチョードゥリーの方が近い。“Choudhury”はインド、バングラデシュにルーツのある名前である。「超だりぃ」でも運動量は豊富だ。