山中 拓磨
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どうも、お久しぶりです。
前回の英語記事から一年以上たってしまいましたが、使われる割に以外と混同されがちな『club』と『team』そして『squad』という同じような意味を表す三つの言葉の違いについて解説していきたいと思います。
書き手(Twitter)
投稿しました。選手採点 vsカーディフ (H) by Charles Watts https://t.co/4uzSZeZI10
— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) January 30, 2019
『Club』の英語の意味
Embed from Getty Images
(ちょっと真面目な記事なので、ほのぼのしていただくためにアーセナルのやらかし三人衆の写真でも置いておきます。)
まず『Club』ですが、これは、選手だけではなく、監督やスタッフ、歴史や伝統なども全てを含めた存在としてのサッカークラブのことを指します。ピッチ内外を含めた最も広義な言葉と考えてもらえれば問題ありません。
『Arsenal FC』
『Manchester United FC』
『Chelsea FC』
など、これらがフットボールチームではなく、
「フットボール”クラブ”」
と呼ばれるのは、このためです。
したがって、たとえばアーセナルの選手だと『for Arsenal』と『for the club』というのはほぼ同一の意味になります。
基本的には公式声明なので、サッカークラブが自身について言及する際に使われるのは『The club』ですし、記事等でもアーセナルやマンチェスター・ユナイテッドなどのクラブ名を繰り返し使いたくない場合に時々
『the club』
と置き換えられます。
『Team』の英語の意味
Embed from Getty Imagesクラブに関しては、日本語などでも何となくイメージがつくかと思いますが、少し紛らわしいのがこの先の、「チーム」と「スカッド」です。
基本的には、『team』という単語は試合に出場する11人あるいは、交代選手までも含めた14人を指すことが多いです。
ベンチで出場しなかった選手の扱いは若干微妙で、厳密には試合のメンバー表のことを『team sheet』と言いますので含まれるのだと思いますが、なんとなくイメージとして「チーム」というとピッチ上に立っている11人の姿が頭に思い浮かぶと思います。
したがって、日本語ではスタメンやベンチから漏れることを「メンバーから外れる」と言いますが、英語では「チームを外れる」という言い方をすることが多いです。
イエローカードと分かっていながら戦術的ファウルを行うことを表す表現に、
“take one for the team”
という言い方がありますが、これもピッチ上の他の仲間のために一枚もらう、と解釈するのが一番しっくりきますね。
ただ、『team』という単語にはスポーツとは関係なく『仲間』のような意味合いもあり、例えば
“Everyone at Arsenal Football Club supports each other, we are a team.”
のような言い方も稀にされることがあるので少し注意が必要です。
『Squad』の英語の意味
Embed from Getty Imagesそして、最後の『Squad』(英語ではスクウォッド、のように発音される)ですが、これは日本語で言うところの『メンバー』が一番近いと思います。
単に『Squad』と言えば、出場機会がほとんどない選手なども含めて、チームに登録されている全選手を指します。
だからこそ、アーセナルファンにはおなじみですが、ベンゲル監督は頻繁に
「我々には強力なスカッドがある」
と口にしたわけですね。
したがって「層の厚さ」のことを英語では「厚さ」ではなく「深さ(depth)」というのですが、当然ながら『チームの「depth」』という言い方はされず、
『depth of the squad』
が正しい言い方となります。
また、この『squad』という語は
“Champions League squad”
や
“15 men squad for World Cup”
のように「ある大会限定のメンバー」という風に使うことも出来ます。