10部の観客席には飼い犬も?英国下部の古き良き雰囲気とは

       

イギリス定住を1997年に決断し、以後は現地在住ライターとして活躍中の山中忍さん。

日本ではセリエAが主流の時代だった頃から、プレミアリーグの現場に通いつめてきた。

世界で最も人気を誇るリーグに成長するまでの過程やイングランドのメディア事情などを中心に、プレミアパブ代表の内藤が現地にてインタビューを敢行。

その全貌は有料サポクラの加入者限定のウェブマガジンで紹介している。今回は一部内容を特別に無料公開する。

はじめに

サーフィンを趣味にする山中さんは、海に面する町・コーンウォールに出向いたタイミングでノンリーグの試合観戦も行っている。

10部に相当するリーグに所属するニューキーの試合会場では、イングランドのサッカー文化を強く思い知らされる一幕があった。

語り手

内藤秀明

山中忍

イングランド在住のフリーライター。1997年より定住を開始しプレミアリーグの取材活動を長年続けている。日本のWebメディアにも現地から数多くの記事を寄稿する。

10部相当のリーグで感じたサッカー文化とは

下部リーグの試合などは観に行かれますか?

2部は行きますが、3部以下の試合を見ることはほとんどないですね。

旅行先にある10部くらいの現地クラブを覗きに行くことはありますよ。

印象的なノンリーグのチームはありますか?

イギリス南西部のコーンウォールという町に本拠地を置くニューキーというクラブです。

(編集部注:South West Peninsula Leagueに所属

僕はサーフィンが好きで、よく行く町なのでついでに見ていきます。

10部くらいに所属してるのですが、イングランドらしくサッカー専用のスタジアムを持っているんです!

そこで印象的だったのは犬を連れたおばあちゃんが入場してきたことでした(笑)

犬も入場料を取られるのでしょうか!?(笑)

無料です(笑)

でもあのような雰囲気はいいですね。

下のカテゴリーでもしっかりとサッカー文化が浸透しているのがすごいですよね。

加えて大変なのがレフェリーです。

下のカテゴリーでもさんざん文句を言われるんですよ。

10部だとピッチとの距離がほとんどないのに、最前列のおじさんが

「ちゃんと眼鏡かけろ!」

なんて叫ぶんですよね…。

レフェリーって大変ですよね…。

彼らがいないと試合が成り立ちませんよ!

そんな草の根からレフェリーを担当する人がいるのに、プレミアリーグのレフェリーのレベルが上がらないのも悲しいですが…。

一番上なのに…(笑)

でもあそこまでサッカーが根付いているのはすごいですね。

そうですね。

僕は地元が藤枝なのででたまにJ3の試合を観に行くんですけど、

「3部ならもう少し人が入ってもいいのにな」

と行くたびに思います。

数百人~1000人程でしょうか?

僕の行った試合ではそうでしたね。

イングランドだと5部くらいの動員ですかね。

ただ、7部で1300人入ることもありますからね。

しかもカテゴリーにかかわらず、全員が試合を楽しみにしているのが素晴らしいです。

へえ~~。いい国ですねぇ。

でも日本でのサッカー人気はだいぶ高まりましたよね。

僕が始発でチェルシーのチケットを買いに行っていた頃(2002年)と比べたら、日本のサッカーは全然違います。

海外からの注目度もそうです。

当時はチェルシーのチケットオフィスで

「日韓W杯を観に行きたいんだけど、ソウルから東京は電車で何時間なの?」

って聞かれたこともありました(笑)

島国ってことくらいは知っててほしかった…。

今は海外で活躍する日本人も増えて、日本サッカーの知名度も向上しましたよ。

強いとは思われていないですが、テクニックはイケてるっていう印象だと思います。

(続く)

対談の全文の目次

各国記者がメディア席で見せる振る舞いとは

山中さんが英語でメモを取る理由とは

“メディア飯”の質でクラブの質が分かる…?

各クラブのファンに見られる特徴とは

イングランド人はスタジアムからの帰宅が早い?

吉田麻也がプレミアリーグで成功する要因とは

武藤所属・ニューカッスルのオーナーが不人気のワケ

山中さんが見据える今後のビジョンとは

(約6500文字)

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