瀧本 拓朗
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サッカーにおける最も喜びが爆発する瞬間といえば、
やはりゴールが決まったときだろう。
それは選手に限ったことではなく、監督においても同じことが言える。
はじめに
プレミアリーグと言えば、個性豊かな監督たちのキャラクターも魅力の一つだが、今回はBIG6のみに絞って、それぞれのチームの監督のゴールが決まった際のその個性的な喜び方を紹介していく。
そしてそのそれぞれに、知らない人でも一言でイメージが湧くような分かりやすい「呼び名」をつけていく。
マンチェスター・シティ(ジョゼップ・グアルディオラ監督)
今季圧倒的な強さを見せてプレミア優勝を果たしたマンチェスター・シティ。監督のジョゼップ・グアルディオラはピッチ上に常に新しい変化を求める「変革者」だが、喜び方もそのサッカーのように変幻自在だ。
時には情熱的な喜び方を見せたり、時には子供のような表情を見せたり、ピッチ上で様々な顔を見せて「見る者を楽しませてくれる」監督である。
どちらかというとコレという特定の喜び方はないタイプだが、試合中は立ち上がってピッチの近くで激しく指示を送るスタイルをとることが多い分、〝立ち上がったままのガッツポーズスタイル〟が最も多い喜び方のパターンようにみえる。
そして彼の中での今の流行りなのか、「どうだ」と言わんばかりに観客の方を振り返ってスマートなガッツポーズを見せることが最近多い。
ということでグアルディオラ監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝スタイリッシュ・振り向きドヤガッツポーズ〟
だ。
アーセナル(アーセン・ヴェンゲル監督)
対照的にアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は喜び方のバリエーションがほとんどない。基本的に喜びを爆発させることはなく、グラルディオラ監督と違って指示を出す時以外は座ったまま試合を見ることも多々ある。
ただ共通している点があるとすれば、〝ガッツポーズスタイル〟だ。アーセナルファンならそう言われてすぐにパッと頭に思い浮かぶだろうが、ヴェンゲル監督の喜び方のほとんどは〝そっと立ち上がって、両手で小さくガッツポーズをする〟というスタイルだ。
ただ、グーナーたちが今まで幾度となく目にしてきたその遠慮がちな喜び方はもうアーセナルでは見ることはできない。今後もし違うチームで指揮をとるのであれば、「今までと同じスタイル」で喜ぶのか、はたまた「全く違うスタイル」で喜ぶのか、今後もこのフランス人監督の一挙手一投足から目が離せない。
ということでヴェンゲル監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝そっ立ち・ダブル小ぶりガッツポーズ〟
だ。
チェルシー(アントニオ・コンテ監督)
稀代の戦術家、アントニオ・コンテはこれまでの2人と違い、ピッチ上では常に情熱的に振る舞うタイプだ。
印象的なのは、特に劇的なゴールが決まった時に見せる観客席に向けての〝ダッシュ〟と熱い〝咆哮〟だ。時には勢い余ってサポーターと抱き合ってしまうことさえあるその熱さは、彼の指揮するどのチームでも、スタジアム全体のボルテージを上げる原動力となっている。
あと強いて言えば、ダッシュしている時の長髪がサラサラだ。
ということでコンテ監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝情熱・サラヘア闘将ダッシュ〟
だ。
リバプール(ユルゲン・クロップ監督)
圧倒的な勢いそのままCL決勝まで登り詰めたリヴァプールの強さには、ユルゲン・クロップ監督の情熱的なパーソナリティが少なからず加担している。ピッチ上での喜び方にもそれは顕著に現れており、彼はコンテと同じかそれ以上に「熱い男」だ。
クロップといえば情熱的な〝ダッシュ〟がすぐ頭に思い浮かぶだろうが、特に劇的なゴールの時に見られる、何度も拳を前に突き出す〝連続ガッツポーズ〟も彼特有の喜び方の一つだ。
コンテと同じ〝ダッシュ〟そして定番の〝ガッツポーズ〟を使い分ける「情熱的監督界の風雲児」は、時には喜びすぎてトレードマークであるメガネを落としてしまうこともある。チームに〝飛ぶ鳥を落とす勢い〟を与えるのはいいが、その勢い余ってメガネまで落としてしまうのは彼の悩みの一つであろう。
そして今シーズンを締めくくるCL決勝でも果たしてそのメガネは落ちるのか、注目が集まる。
あと強いて言えば、ダッシュしている時の金髪がサラサラだ。
ということでクロップ監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝情熱・金髪メガネ落としダッシュ〟
だ。
トッテナム・ホットスパー(マウリシオ・ポチェッティーノ監督)
トッテナムを率いる新進気鋭の若武者、マウリシオ・ポチェッティーノ監督はその若さに似合わぬ冷静さが特徴だ。
喜び方にコレというスタイルはないが、どちらかというと大きく感情を表に出して喜ぶことは少なく、むしろゴールが決まっても黙ってそのままピッチを見つめていることも多い。
ただ、インタビューで「ライバルチームでは絶対に働きたくない」と断言するなど、内に秘める熱さと負けず嫌いさには特筆すべきものがある。
今後もそのスマートな出で立ちと爽やかな立ち振る舞いで、トッテナムだけでなく、ヨーロッパサッカー界全体を引っ張っていくことが期待される。
あと強いて言えば、BIG6の監督たちの中でも特にスーツが似合う男だ。
ということでポチェッティーノ監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝冷静・若手爽やかハンサムスーツ〟
だ。
マンチェスター・ユナイテッド(ジョゼ・モウリーニョ監督)
マンチェスター・ユナイテッドを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は、その気難しさの反面、サッカーを心から愛する男でもある。
喜び方の面においても彼ほど「掴めない」監督はおらず、ピッチ中を走り回って喜ぶときもあれば、良い内容の試合をしていてもずっとしかめっ面でベンチに籠城していることもある。
ただ、彼における「情熱的な喜び方」にはパフォーマンス的な意味も含まれており、それが他の監督と一線を画す部分でもあるだろう。
しかしここ数年はこれ見よがしにピッチを走り回って喜んだりすることはほぼなくなり、ベンチでしかめっ面をしている時間がより増えた。かつてのインテル時代のようなバリエーション豊富な喜び方をまた目にすることはできるのだろうか。
とうことでモウリーニョ監督の喜び方に名前をつけるなら…
〝気分屋さん〟
だ。
BIG6監督喜び方、まとめ図
いかがだっただろうか。今回はBIG6の監督のみであったが、プレミアリーグにはもっと多くの個性的な喜び方をする監督がいる。
来季のプレミアリーグでは、そのエキサイティングなゴールだけでなく、監督の多種多様な喜び方にも注目すれば、もっと楽しめるかもしれない。