【分析】エバートンはウォルコットを本当に獲得すべきだったのか?

日本時間18日午前2時、

アーセナル所属のテオ・ウォルコットが

エバートンに移籍することが両クラブより発表された。





ウォルコットの加入

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12年間クラブに所属し苦楽を共にしてきたイングランド代表アタッカーとの別れを惜しむアーセナルサポーターと、プレミアリーグで十分な実績を持ち、その能力に疑いの余地がない彼の加入に「Welcome Theo!」と歓迎ムード一色のエバートンサポーター。
両者の反応は対照的だ。
そして、イングランドサッカー界全体で見ても、この移籍はビッグディールであると言えるだろう。
しかしながら私は、この移籍がエバートンにとって本当に必要なのか疑問に思っている。その理由は2つある。

<人員過多のアタッカー陣>

ウォルコットのポジションは主にサイドハーフで、アーセナル所属時はセンターフォワードとして起用されていたこともある。
このことから、エバートンでも同様の役割が期待されていると考えられるが、エバートンは現在、ボラシエ、レノン、シグルズソンというリーグ屈指のアタッカーと、イングランドの未来を担うヤングスター、ルックマン。
また、今季ハイドゥク・スプリトから加入したクロアチア代表ヴラシッチの5人でサイドハーフのポジションを争っている。
またセンターフォワードも、ルーニー、トスン、ルーウィン、ニアッセ、サンドロと実力者ぞろいだ(表参照)

つまり、ウォルコットが主戦場とするポジションには既に選手が溢れかえっているのだ。
もちろんウォルコットは即戦力として補強されたので、熾烈なポジション争いにも勝ち、出場機会を得られるだろう。
しかしその分、大枚をはたいて獲得した選手や将来性のある若手選手の出場機会が減ることになる。
果たしてこれで、エバートンは強くなることができるのだろうか。
確かに短期的に見れば、好成績を収め強くなったと言えるかもしれない。
しかし、長い目で見れば、若手が育たない環境を作り、無駄なお金の使い方をするようなクラブに明るい未来はないだろう。
今シーズンも残りあと4ヶ月ほどだ。
フロントにはシーズン終了までに、その場しのぎではなく5年後、10年後を見据えて、戦力の見極めを行って欲しい。

<不足する守備陣>

エバートンは今季、バーンリーよりイングランド代表センターバックのキーンを、
サウサンプトンよりキュラソー島代表サイドバックのマルティナを獲得し、
昨季リーグ6位の失点数を誇る最終ラインの更なる強化を図った。
しかしリーグ戦開幕以降、昨季の堅実な守備が嘘のように失点を重ね、現在の失点数はリーグ16位と守備陣は崩壊。
早急な立て直しが必要とされている。
また、チーム屈指のチャンスメイカー、ベインズと前述のキーン、アルゼンチン代表センターバックのフネス・モリは現在負傷中で、明らかに最終ラインの枚数が足りていない。(表参照)

特に左サイドバックはベインズが負傷したことにより、本職が左サイドバックの選手が誰もいなくなり、現在は右サイドバックを主戦場とするマルティナが務めている。
また、センターバックの主力であるウィリアムズは33歳、キャプテンのジャギエルカは35歳とセンターバック陣の高齢化も進んでおり、能力の衰えも顕著に見られるようになった。
これらの理由から、エバートンが真っ先に補強すべきポイントは左サイドバック、あるいはセンターバックだろう。
しかしながら、エバートンが獲得したのは1つ目の理由で記述したように、枚数が足り「過ぎている」アタッカーのウォルコットだった。
これには正直驚いた。
確かにエバートンは得点力不足に悩んでおり、その解消を目指して彼を獲得したのかもしれない。
しかし、ウォルコットの移籍金は2000万ポンド。日本円にして約30億5000万円と決して安くない金額だ。
これほどの額があれば、即戦力となれるディフェンダーを獲得することは容易にできただろう。
ルカクマネー(昨季のエース、ルカクをマンチェスターユナイテッドに移籍させることで得た収入)もいずれは底を突く。
万年中位に甘んじてきたエバートンが上位進出を果たすには、無駄な移籍金を払っている場合ではないのだ。
「このクラブを次のレベルに高めたい。だから僕はエバートンへとやってきたんだ。」
エバートン移籍の理由をこのように語ったウォルコット。
彼はエバートンへ様々なことをもたらしてくれるだろう。
しかし本当の意味でエバートンを次のレベルに高めるには、選手や監督のみならず、
チームの弱点を見抜き的確に補強するフロントの存在が必要不可欠であることは言うまでもない。

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