山中 拓磨
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プレミアリーグでよく聞く英語をまとめて解説しています。
趣味のサッカーを通じて
語学を学ぶハードルを下げましょう!
はじめに
「フルバック?ってどこ」
「センターハーフって中盤じゃないの?」
日本で聞く和製英語と、英国のサッカー英語は実は少しかい離があります。
もちろん長らくプレミアを見ている人は知っている英語も多いかもしれませんが、
あらためて自分の知識に抜け漏れや勘違いがないか確認してみませんか?
各ポジションの英語と解説
ゴールキーパー:
Goalie, Goal Keeper, Keeper
これは日本語とほとんど同じですので説明するまでもないかもしれません。日本語でも使用されるキーパー、ゴールキーパーは普通に英語でも使用されます。また、ゴールにieをつけて愛称っぽくしたゴーリーが比較的砕けた言い方です。
例文: Petr Cech is still a great goalie, and was such a bargain for Arsenal.
(ペトル・チェフはいまだに素晴らしいGKで、アーセナルにとってはとてもお得な買い物だった。)
センターバック: Centre back, Centre half
サイドバック: Full back, Right/Left back
ウイングバック: Wing back
ウイングバックとセンターバックについては日本語でも使われますが、なぜか、MFではなく、DFを指してセンターハーフ、という言い方も使われるのと、サイドバックはフルバック、と呼ばれるので注意が必要です。基本的にはサイドのDFに関してはほぼフルバック一択、という感じで、またCBに関してはCentral defenderも通じはしますが、あまり多用される印象はありません。右サイドバック、左サイドバック、というときにはサイドを抜いて、単にright/left backという言い方が使われます。
センターバックとセンターハーフはどちらもよく使いますが、どちらかというとセンターハーフの方が伝統的な言い方のような気がします。また、センターバックのポジションで、という意味ではat the heart of the Arsenal defence(アーセナルの守備陣の中心で)といった言い方がされることもあります。またサッカーに限った話ではありませんが、文字にして書く際にはイギリス英語のセンター、はcentreとつづることが多いです。
例文: Monreal can play both as a centre back and a full back.
(モンレアルはセンターバックとサイドバック両方でプレイできる。)
守備的MF: Anchor, Holding mid(fielder)
セントラルMF: Central midfielder
トップ下: Number ten, Atacking midfielder, Playmaker
このあたりになってくると、日本語でもそもそもどの用語がどのポジションを指すのか曖昧になってきますが、カンテやマティッチ、ジャカやコクラン、といった三列目でプレイし、どちらかというと守備をする機会が多めの選手はHolding Midfielderと分類されることが多いです。錨を指すアンカー、という言い方や稀にディフェンシブMFと呼ばれることもありますが、このholding midfielderという呼称がより一般的だと思います。
また、MFに限らずポジション全体に関して言えるのですが、erをつけたポジション名で呼ぶのではなく、play in —(erなし)という表現も同じくらい普及しています。 例: play in central midfield/defence
そして、これも同じように用語がというよりもむしろ概念自体が区別が曖昧ですが、ラムジーやキャリックのようにポジション的には後ろ目でも守備を専門として担わない選手の場合はCentral midfielderという言い方が使われます。もっと戦術的には厳密な区分がもしかするとあるかもしれませんが、この辺は解説者なども結構その日の気分であいまいに使い分けているような気がします。笑
日本語で言うトップ下に関しては、オフェンシブMFといわれることはほとんどなく、一番よく使われるなのは背番号がポジションで割り振られた時代の名残である、ナンバーテン、という言い方ですね。アタッキングMFはその名の通り単に攻撃的なMFということなので、稀にサイドなどのトップ下以外のポジションを含むこともありますし、プレイメイカーはどちらかというとポジションよりも役割の呼称なので、時折deep-lying playmaker(深い位置でのプレイメイカー、ピルロやシャビ・アロンソ、ジャカのようなタイプ)という風に今回の記事の分類でいくとCMFを指すこともあります。
例文: Ozil is one of the best number-tens in the world.
(エジルは世界最高のトップ下の一人だ。)
サイドMF/ ウイング:
Right/left midfielder, Winger, On (the) flank(s)
昔はサイドのMFという考え方はよくあるものだったようですが、現在はWBより前でプレイするサイドの選手はウインガーと呼ばれることが多く、サイドMFという呼び方はあまり聞きません。どちらかというと、play on the right hand side of the midfieldのように場所で言われることが多いです。また、サイドに関しても、MFと同じようにしばしばplay on the (right/left) wing/flankという言い方も一般的です(flankは脇腹の意で、転じてサイドということ)。また、単にサイドだけでOn the right/leftというように呼ばれることも多いです。
例文: Arsenal played Iwobi and Walcott on the flanks
(アーセナルはウイングにイウォビとウォルコットを起用した。)
シャドウストライカー: Second striker, Inside forward
これもどこまでがトップ下でどこからがシャドウストライカーなのかは議論の余地があるところではありますが、イギリスではシャドウストライカーという言い方はあまりしません。2人目のストライカーという意味でセカンドストライカー、と呼ぶことが多いですが、昔ウイングをアウトサイドFW(現在この呼称はほとんど使われませんが)、それと対比して内側の選手をインサイドFWと呼んでいた名残でインサイドフォワード、と呼ぶこともあります。
基本的には位置の高い低いにかかわらず、ナンバーテン、というのは一人のみの場合に使われることが多く、例えばアーセナルが3バックを採用した時のワントップの後ろのサンチェスとエジルのポジションはインサイドFW、と言われていました。
例文: Dennis Bergkamp was probably the best second striker in Arsenal’s history.
(デニス・ベルカンプは恐らくアーセナルの歴史上もっともすぐれたシャドウストライカーだった。)
ストライカー: Striker, Number nine, Centre forward
これは日本語と同じくストライカー、が最も普及している呼び方です。トップ下と同じく背番号由来のナンバーナインもよく使われます。ちなみにここから派生して、一時期流行った日本語で言うところのゼロトップ、はfalse nine(偽の九番)と呼ばれていました。また昔ながらのセンターフォワードという呼び方も今も残っていますが、こちらの単語はどっしりと構えた昔ながらのフォワード、という印象が若干あり、ジルーのような選手に使われることがどちらかというと多いです。
例文: Wenger does not think that number nine is Alexis’ best position
(ベンゲルはアレクシスのベストポジションがストライカーだとは思っていない。)
(この記事は、アーセナル・コラムに掲載した記事を加筆・修正したものです。)
書き手
山中拓磨
【プロフィール】
熱烈なアーセナルファン。他の方の手のまわっていなさそうなところを中心に、海外サッカーについて色々と翻訳しています。アーセナル・コラムというブログ(https://t.co/RJw85wGV9G)もやってます。— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) 2017年12月20日
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