佐藤 邦和
最新記事 by 佐藤 邦和 (全て見る)
- 【懐かしい】イングランドフットボールで最も過小評価された5人の監督 - 2018年2月21日
- エースのコウチーニョが移籍してもリバプールが動じない理由とは - 2018年1月25日
- 【シティ攻略法】マンチェスターダービーでモウリーニョがとるべき戦術とは - 2017年12月9日
マンチェスターダービーでのルーニーのバイシクルシュート、
カントナのループシュート
ベッカムの超ロングシュートなど
プレミアリーグには数多くのスーパーゴールが語り継がれている。
しかしなかにはほとんど知られていないスーパーゴールも存在している。
今回はそんな忘れされているスーパーゴールにスポットを当てた記事を紹介したい。
本気記事はFourFourTwoの記事を翻訳・編集している。
第15位:カールトン・パーマー(1995/96 リーズ vs ウィンブルドン)
最初に紹介するのはハードワークを厭わないリーズのダイナモ、カールトン・パーマー。
彼はピッチ外では粗野な性格で知られているためあまりメディアに取り上げられることは少なかったが、
この試合で挙げたゴールはチームのプレミア残留に貢献したゴールだった。
それでも印象が薄いのはこの試合でトニー・イエボアがもっとすごいゴールを決めたからだ。
このイエボアのゴールはプレミアリーグの創設25周年を記念してリーグ史上の「ベストゴール」を選出するユーザー投票でベルカンプに次ぐ第2位に選ばれるほどだった。
第14位:スティーヴン・リード(2005/06 ブラックバーン vs ウィガン)
パーマーに続いて紹介するのはスティーヴン・リード。
彼のゴールはこれぞプレミアリーグのゴールと言わんばかりのミドルシュートである。
右サイドからのクロスをDFがクリアしたボールに一直線に走りこんだリードが
そのままの勢いでシュートを打つという爽快感抜群のゴールだ。
第13位:ピーター・ヌドロブ(1992/93 コベントリー vs ノーリッチ)
ジンバブエ代表として代表最多出場、
最多得点を記録する彼がまだ若干19歳のときに挙げたゴールが13位にランクイン。
左サイドから中央に走りだし一瞬でマークを振るきり、
こぼれ球を拾うとドリブルでDF1人をかわし、
GKをフェイントで転ばせてシュート。
スピードに乗ったまま高度なテクニックとインテリジェンスを見せたスーパーゴールだ。
第12位:マレク・マテヨフスキー(2007/08 レディング vs リバプール)
練習でもこれほど綺麗に決められたことはないだろう。
角度のない位置からのFK。
OFもDFもペナルティエリア内に密集しているなか、
ペナルティエリア外にグラウンダーでパスを送って、
それをダイレクトシュート。
バウンドしている難しいボールを振りぬかずに抑えてミートさせた彼の技術の高さがこのゴールに詰まっている。
ただ残念なことにこの試合レディングが負けたことによりこのゴールはあまり注目してもらえなかった。
第11位:ノエル・ウィーラン(1996/97 コベントリー vs ウィンブルドン)
彼のゴールは90年代のプレミアリーグ総集編でもよく取り上げられて、
特にボレーが上手い選手だった。
このゴールもダイレクトボレーではあるが他とは少し異なる。
後ろから来る浮き球のパスをインサイドで合わせてループ気味にゴールをとらえたのだ。
決して派手さはないが技術的には難しい。
何より正確にコントロールするためにインサイドを選択した彼の判断力は称賛に値する。
この試合結局2-2のドローであったが、
コベントリーはこのシーズン勝点1差で残留を決めたことを考えると
この試合で引き分けに持ち込んだこのゴールを忘れてはならない。
第10位:サシャ・チュルチッチ(1995/96 ボルトン vs チェルシー)
まるでACミランのサビチェビッチを見ているようだ。
タッチライン際でボールを受ける瞬間、
向かってくるDFの逆にトラップして抜き去り、
そのまましなやかでスピードのあるドリブルで相手をかわし、
最後に味方とワンツーして華麗に決めてみせた。
40ヤードを駆け抜けたこの間5人ものDFが彼を止めに来たのだが誰も止められなかった。
しかしこのゴールもチームが試合に負けたためピックアップされる機会は少なかった。
第9位:マリオ・スタニッチ(2000/01 チェルシー vs ウエストハム)
相手陣地でボールを受けた彼は軽くリフティングしながら前に進み、
そのまま地面に落とさずペナルティエリア外からミドルシュート。
GKの手の届かないゴール隅に決まった。
このゴールはどう見てもスーパーゴールなのだが英国内では試合中のリフティングはフットボールに対する侮辱と捉えており、
ほとんどリプレイ放送されることはない。
それ故注目されないスーパーゴールになってしまったのだ。
第8位:マーク・デイビーズ(2010/11 ボルトン vs ブラックプール)
このシーズンのベストゴールといっても過言ではない。
ただ英国内ではこれは偶然の賜物としてあまり評価されていない。
なぜならこのときボルトンを率いていたオーウェン・コイル監督は型にはめ込んだ戦術だったため、
この流れるパスワークから生まれたゴールはたまたまで、
チームが強くなったわけではないとBBCは評していた。
事実この試合2-2で終えており、もしこの試合で勝っていれば評価も変わっていただろう。
第7位:ディーン・ゴードン(1997/98 クリスタルパレス vs ボルトン)
クリスタルパレスで練習生としてキャリアを始めた彼は
アグレッシブなタックルと積極的なオーバーラップでチームに欠かせない存在となった。
そんな彼を代表するゴールがボルトン戦のゴールだ。
チームメイトは右サイドでボールをキープして彼が駆け上がるスペースを創り出し、
そのスペースへ上手くパスを通して、
狙い通りオーバーラップしたゴードンがキャノン砲を打ってみせた。
しかし既にクリスタルパレスの降格は決まっており、
この試合も負けたことからほとんど知られていないスーパーゴールとなっている。
第6位:スティーヴン・カー(1999/00 トットナム vs サンダーランド)
(動画なし)
1999/00シーズン最終戦で決めてみせたカーのゴールは意外性のあるゴールだった。
右サイドバックとしてあまり攻撃力は評価されていなかった彼だが、
この試合では自陣でボールを奪うとそのまま60mくらいをドリブルし、
最後はループシュートを決めてみせた。
このゴールが評価されない理由はシュートコースを完ぺきに塞いだサンダーランドの
DFトーマス・ソーレンセンを嘲笑うかのようなシュートだったかららしい。
英国人は皮肉ったプレーが好みではないようだ。
第5位:トレヴァー・シンクレア(2001/02 ウエストハム vs ダービー)
こんなすごいバイシクルボレーが忘れ去られるなんて理解できない。ディ・カーニオのコーナーキックからジョー・コールに繋いでファーサイドへクロスボール。これをシンクレアがダイレクトジャンピングボレーで決めたのだ。この間一度も地面に落とさず決めたのもすごい。何度見ても語り継がれる価値のあるゴールに思える。
第4位:マイノル・フィゲロア(2009/10 ウィガン vs ストーク)
ベッカムの超ロングシュートを見ているようだ。
しかしその評価はまったく違う。
フィゲロアのシュートは弾道がフラットだったため軌道に美しさや余韻が薄かったのかもしれない。
またベッカムのゴールはシーズン開幕戦であったこともインパクトを残した要因である。
そしてなんといってもベッカムという大人気アイコンが決めたゴールというのが評価を高めた最大の要因だ。
選手のスター性がゴールの印象を変えるというのは残念なことである。
第3位:イアン・ブライトウェル(1992/93 マンチェスターC vs リーズ)
流れるようなパスワークで決めたこのゴールは
現在のストーンズ、アグエロ、デブルイネ、ウォーカーたちを彷彿とさせる。
ただ試合が一方的過ぎたため印象には残りにくかった。
第2位:クコ・マルティナ(2015/16 サウサンプトン vs アーセナル)
サウサンプトンで控えの右サイドバックだった彼が決めたゴールは
彼の視点に立つとその凄さが際立つ。
ロベルト・カルロスがコンフェデレーションズカップでフランス相手に決めてみせたFKのように曲がっている。
ただ試合が一方的であったため忘れ去られがちである。
第1位:パイティム・カサミ(2013/14 フルハム vs クリスタルパレス)
ファン・バステンを超えるスーパーゴールだ。
彼はハーフウェーラインから二人のディフェンダーと競いながらトップスピードでスペースに走り込み、
斜め後ろから来たボールを胸トラップしてそのままダイレクトボレーで決めてみせた。
ファン・バステンは角度が無かったものの
ディフェンダーが寄せてきていなかったのでこちらのほうが難易度の高いゴールと言える。
しかもカサミは利き足とは逆でシュートを打っているのだ。
しかし残念ながらファン・バステンよりも語り継がれるゴールにはなりえなかった。
その理由は彼がマケドニア出身の一選手にすぎなかったからである。
最後に
FourFourTwoが紹介している忘れ去られたスーパーゴールは以上である。
しかしこの他にもたくさんのゴールが生まれている。
そしてこれからも生まれるはずである。
今シーズンもそんなゴールがあるかもしれないのでスター選手に限らずぜひ全試合のゴールに注目して頂きたい。