佐藤 邦和
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プレミアリーグ25周年を記念して英ガーディアン紙は独自の視点でベストイレブンを紹介している。
チョイスの基準は端的に言うとインパクトである。
例えば…
マンチェスターU黄金期の時代に3連覇を阻止したブラックバーンは歴史を作ったという意味でインパクトが大きい。
また毎年PFA(イングランドサッカー選手協会)やFWA(サッカーライター協会)によって年間ベストイレブンや最優秀選手に選出されるのだが、
受賞者はサッカー関係者から支持されたということでプレミアリーグを観ている人に大きな印象を与えたと捉えている。
そこで今回同誌が紹介している強烈なインパクトを残したプレミアリーグベストイレブンを見てみよう。
GK:ペトロ・チェフ(チェルシー/アーセナル)
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数多の栄光を築き上げたGKたちの中でチェフは最も信頼できるGKで、
無失点試合数149試合という実績がそれを物語っている。2004-05シーズンには25試合も無失点試合を達成しており、
ブッフォンからは「この時代のベストGKだ!」、モウリーニョからは「私はいつもチェフが世界で最も優れたGKだと思う」と絶賛されている。
2006年には頭部を骨折する大きなけがを負ったが、その苦難を乗り越えて現在でも所属クラブではファーストチョイスのGKを務めている。
2009年にプレミアでの連続無失点記録はファンデルサールに塗り替えられたがクリーンシート(無失点試合)回数では上回っていることが評価されたのかもしれない。
右SB:ロブ・ジョーンズ(リバプール)
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1991年9月28日当時、19歳のルーキーだった彼は当時4部のクルーで右サイドバックとしてプレーしたが、
次の週末にはリバプールの一員としてオールドトラッフォードでマンチェスターUのギグスをマークしていた。
そしてその4カ月後にはイングランド代表としてデビューした。彼は瞬く間に世界中から注目される選手になり、
そのシーズンを通してギグスやジノラから
「(シュート以外のスキルでいえば)プレミアリーグで最も優秀なディフェンダーだ!」
と絶賛された。けがにより28歳で引退を余儀なくされたが、彼のシンデレラストーリーはまさにインパクト大だったといえる。
CB:トニー・アダムス (アーセナル)
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無類の酒好きで、トレーニングも不真面目だったアダムスだが、
クラブに多くのタイトルをもたらし、クラブと代表の両方でキャプテンを務めるほど選手としては超一流で、
さらにガナーズ一筋であったためサポーターからも愛された。
CB:ヤープ・スタム (マンチェスター・ユナイテッド)
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当時としては破格の高額な移籍金で1998年にPSVからマンチェスターUに加入したスタムはいきなり三冠(リーグタイトル、FAカップタイトル、UEFAチャンピオンズリーグタイトル)を達成してみせた。
長身でフィジカルが強く、それでいてスピードもある彼は相手フォワードにとって大きな壁となった。
しかしアキレス腱をけがしたことと自叙伝でクラブとファーガソンを非難したため2001年にクラブを去ることとなった。
それでものちにファーガソンは「私はそれほど多くの過ちをしてきたとは思わないが、(スタムを放出したことは)私が犯した過ちのひとつだった」と述べていた
。さらにBBCも「スタムがマンチェスターUに来ていなければ、”Sir Alex”は今でもただの”Alex”だっただろう」とスタムへの称賛を述べている。
左SB: アシュリー・コール(アーセナル/チェルシー)
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アシュリー・コールは385試合に出場したうちわずか14.8%の試合(57試合)しか負けていない。特に2003-04シーズンには無敗優勝を達成している。さらにPFA年間ベストイレブンに4回選出されている。これほどの偉業を達成している左サイドバックは彼以降いまだ現れていない。
右サイドハーフ:クリスティアーノ・ロナウド (マンチェスター・ユナイテッド)
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彼はプロキャリアの多くをレアルマドリードで過ごしているものの、
マンチェスターUでの彼もまた素晴らしかった。
彼がマンチェスターUに移籍して4シーズ目の2006-07シーズンにはまだ22歳ながらリーグで17ゴールを決めてPFA年間最優秀選手、
FWA年間最優秀選手、ファン投票による年間最優秀選手の3冠を史上初で達成している。
さらにその次のシーズンにはプレミアリーグとUEFAチャンピオンズリーグの2冠に加えて、自身リーグ31ゴールでゴールデンブーツ賞を受賞した。
セントラルMF:ポール・スコールズ (マンチェスター・ユナイテッド)
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1990年代から2000年代初めの偉大なマンチェスターUの象徴であったスコールズはセントラルMFとしてすべてを兼ね備えていた。
それを裏付けるように共に闘った多くのフットボーラーから憧れを抱かれている。
シャビは「(スコールズは)私が20年間見てきた中でベストのセントラルMFだ!彼はラストパス、シュートに加えて、フィジカルも強く華麗でボールを失わない。」と絶賛しており、
ジダンも同様に「彼の世代で最も偉大なMFであったことは疑いようのないことだ!」と述べている。
代表で云えばジェラードやランパードのキャリアのほうが目に付くかもしれないが、能力でかれらより劣っているとは言い難い。
セントラルMF:スティーブン・ジェラード(リバプール)
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驚いたことにジェラードはPFA年間年間最優秀選手には一度しか選ばれていない。
しかしPFA年間ベストイレブンにはなんと8度も選ばれている。
これは前人未到の記録であり、ランパードですら3度である。
ジェラードの魅力は責任感の強さとキャプテンシーであり、オフェンスもディフェンスもひとりででもアグレッシブにこなす。
彼の偉大さには一緒にプレーしたフェルナンドトーレス、ダニーマーフィー、アルベロアだけでなく、敵将であったファーガソンですら賛辞を贈る。
左サイドハーフ:ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド)
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プレミアリーグで最多試合出場記録を持つ彼はスコールズと並んでマンチェスターUのレジェンドといえる。
デルピエロは彼のことを「サッカーの試合を観ていて私を涙させたのは二人だけだ。一人はマラドーナ、もう一人はギグスだ!」と述べ、
マラドーナと同格のフットボーラーとして称賛している。
FW:アラン・シアラー (ブラックバーン/ニューカッスル)
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彼こそプレミアリーグのベストスコアラーであろう。
デビュー戦でいきなりハットトリックを達成した彼はその後のキャリアを通して11度もハットトリックを達成しており、これは歴代最多である。
1994-95シーズンにはブラックバーンにプレミアリーグ初優勝をもたらした。また人格者でもあり、ピッチ内外で問題を起こしたことは一度もない。
FW:ティエリ・アンリ (アーセナル)
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長身でフィジカルが強く、スピードとテクニックも併せ持ち、さらに一瞬でマークを外す頭の良さも兼ね備えた彼はアーセナルで175ゴールを記録しており、
これは1.47試合に1ゴール決めていることになる。
同僚のテュラムは「サッカースパイクを履いた中では最速の人間だ!」と述べるほどである。またジダンは「技術的に言えばおそらく史上最高の才能を持った選手だ!」と語っている。
以上がプレミアリーグで最も印象強い選手たちである。彼らを超えるインパクトを放つ選手がこれから現れるのか楽しみである。