10代離れの体格!サウサンプトンのオバフェミに注目せよ!

       

吉田麻也あるいはジャームズ・ウォード=プラウズといった選手が気になりセインツの試合を観ていると、

「あれ!?こんな外国人選手いたっけ?」と少し気になって段々と愛着が沸いていく選手がいる。

サウザンプトン・フットボール・クラブのセンターフォワードであるマイケル・オバフェミだ。

書き手

はじめに

下位に低迷しプレミア残留に向けて試行錯誤を繰り返すセインツ。

ギャレス・ベイルやテオ・ウォルコット、現在在籍する選手の中ではジェームズ・ウォード=プラウズといった各世代を象徴するスペシャルなプレーヤーを輩出するセインツにおいて、果たしてオバフェミは大成することができるのだろうか。

この選手について紐解いていく。

基本情報

国籍

アイルランド

生年月日

2000年7月6日

出身地

ダブリン(アイルランドの首都)出身

ロンドン育ち

身長

169cm

体重

71kg

ポジション

CF

セインツ入団に至るまで

マイケル・オルワデュラティミ・オバフェミ(Michael Oluwadurotimi Obafemi)は。アイルランドの首都ダブリンでナイジェリア人の両親のもとで産まれた。

アフリカ系の黒人の血を引いたアイルランド人は“ブラックアイリッシュ”と呼ばれ彼もその一人で、彼らのルーツは島の西部であると言われている。1982年から89年にかけてマンチェスター・ユナイテッドで活躍したポール・マグラー(Paul McGrath)と言われるとピンと来る方もいるだろう。

Mc○○という名前はアイルランドでは一般的であることと併せて、彼がブラックスキンであったことでも印象深い選手だ。

さて、彼のユース世代についてだが、生まれてすぐにロンドンへ移住した彼は幼い頃にアーセナルやチェルシー更にはワトフォードといったロンドンにホームグラウンドを構える強豪クラブのトライアウトに参加していたとの噂がある。

だが、彼についてプレミアリーグの諸クラブのスカウト陣が注目し始めたきっかけとなったのは、レイトン・オリエントFC(英国5部)のユースチームでプレーしはじめてからだ。“オーズ”は、ロンドンの東部にホームを構えており、大学生が多く集まるクリケットチームがルーツで1881年に設立されたいわゆる老舗クラブであることからコアなサポーターも多い。

このチームに所属し、対戦した相手選手またはコーチ陣から「アウトスタンディングな選手だ!」と一気に注目を集めることとなる。

そして、2016年の初頭からあるビッククラブが彼との契約に本腰になった。それが、あのサウザンプトンFCだったのだ。セインツのユースチームは若手育成に関して非常に定評があり、そこから声がかかるのは非常に名誉あることである。ブラックスキンの選手も少なくないチームでいろんなタイプの選手がいる。

U-18代表チームに加入したオバフェミは、FAユースカップU-18プレミアリーグといった少し上の世代の選手がいるコンペティションを経験しつつ、徐々に更にその上のU-23代表チームに同伴させられることとなった。

しかしながら、23歳のチームとなると大柄な選手も徐々に増え始める。その中でも、彼は持ち前のスプリント力と激しいコンタクトを受けても動じない体幹でもって全く引けの取らないプレーを見せた。

理想通りにU-23代表チームまでの道はトントン拍子で進んだ。2018年1月にU-23代表昇格が決まり、セインツ加入当初のスカッドナンバー61番を再び付けることとなる。といってもU-18代表とU-23代表の2チームを行き来していた彼にとって新鮮なことではなかったはずだ。

強いてセインツのU-18代表で残した印象といえば、U-18プレミアリーグにおいて、ファイナルステージを含めて12点をチームに与えたこと。この2つの試合が、彼にとって深く印象に残るものだと想像するのはそう難しくはない。

https://twitter.com/SouthamptonFC/status/941411420499038209?s=20

トップチームデビュー

U-23代表に籍を移し、待ちに待ったその時は急に訪れたのだった…。それは、2018年1月22日のことであった。冬の寒さに凍えるセインツサポーターにとって待ちに待った瞬間だった。
第24節、彼らのホームであるセント・メリーズ・スタジアム(VSトッテナム戦)で行われた1戦。82分にマノロ・ガッビアディーニが交代を告げられると、出てきたのはあの61番の男だ。
正直、会場は程よくザワついていてテレビの実況者も彼の幼い顔と名前を再び確かめていた。

17歳と199日でのトップチームデビューとなると、これは17歳と116日で同じくデビュー戦を迎えたルーク・ショーの次に続くセインツ史上2番目となる。ちなみに、ルーク・ショーのデビュー戦は2012年11月5日のウエストブロム戦。

https://twitter.com/talkSAINTS/status/955143511845822464?s=20

トップチームと契約

プレミアリーグでは、登録メンバー25人に加えて21歳以下の選手ならトランスファーマーケットが開いていない時でも自由に登録解除が行えるルールがあります。

全ては彼の様な若くして将来を嘱望された選手へトップディヴィジョンに触れさせるため。トップチームデビューを飾った後にもEFLカップ、プレミアリーグ2といったトップチームのひとつ下のチームで調整と技術面での補完を行っていた。

新年が明けた2019年の初頭に念願のトップチームとの契約を果たした。もちろん、これから背負っていく番号は“61”だ。

更に、2016年にアイルランドU-18代表に招集されてからアイルランドU-19代表にも選出され、ついに2018年11月19日にA代表のデビュー戦を飾った。

https://twitter.com/FAIreland/status/1059761779725791234?s=20

 

初ゴール

2018年12月23日のハダーズフィールド戦で再び彼の出番はやってきた。

敵地ジョン・スミスズ・スタジアムでのことである。この試合は、久しぶりの勝利だった覚えている方も多いと思う。

ゴールを決めたダニー・イングスに代わって65分に投入されたのはオバフェミ!71分、右サイドの深い位置でネイサン・レドモンドが敵からボールを奪取すると、ペナルティエリア内にいるオバフェミへパス。

そして……ゴーーーール!!!

18歳と169日で挙げたプレミアリーグでのゴールは、セインツにとってもちろん歴代ファーストの記録だ。

同時に、どうしても勝ちたかった試合を決定づけた一撃だったとも言える。それ程スペシャルなことをしてみせたのだった。

プレースタイル

似たタイプの選手と言われれば、バレンシアのケビン・ガメイロだろう。

小柄に見るが実のところだが、中にアスリートとして必須なエレメントギュッと凝縮されている。

あれはウルブスU-18代表との試合だっただろうか。このチームにもブラックスキンでかつ190cm近くある大柄な選手がいて球際で競り合ったシーンがあった。

ガツンとぶつかったのだが、よろけたのは相手選手の方。「なんだこの選手は!」と思ってしまった。

実のところ、彼の突出した点は身体の強さに限らずスプリント力やボールテクニックといった多岐にわたる総合的フィジカルだ。

頭脳派か感覚派かと言われると、後者の類に振り分けられそうだ。プレミアリーグでの出場は未だ5試合で、途中交代からの数分というのが現状だ。

早めの段階でファーストゴールを挙げることができたため気楽にプレーできそうだ。

これからの活躍に期待しましょう!



【了】

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