すいっち
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港町ナポリからサッリとジョルジーニョの黄金コンビがイングランドに来て、ブルーズのサッカーは劇的に変化した。
ダビド・ルイスやペドロのベテラン勢が復活して、華麗なパスワークで魅力的なフットボールを展開。
開幕8試合で6勝2分けと今のところ申し分ない成績だ。
1、ジョルジーニョの影響力
チェルシーの好調ぶりとジョルジーニョはやはり切り離せない。
プレミアリーグ第3節のニューカッスル戦では、
相手チーム全体のパス成功数(131)を上回る成功数(158)を記録し大きな話題を呼んだ。
彼は「サッリボール」の体現者として、今シーズンのキーマンとの呼び声も高い。
2、今季のチェルシーを支える左右非対称の攻撃
だが今季の彼らには大きな武器がもう1つ存在する。
それは左右非対称の攻撃だ。
チェルシーのビルドアップは右と左で多少異なる。
右サイドは「組織」的な色が濃い。
右サイドではRCBリュディガー、RSBアスピリクエタ、DMFジョルジーニョ、右CMカンテの4人で少し大きなダイヤモンドを作り、その中や周辺でRWGウィリアン(又はペドロ)が衛星のように動き回るようにボールを受けに来るシーンがよく見られる。
そして相手陣内に侵入すると、アスピリクエタ、ジョルジーニョ、カンテ、ペドロのダイヤモンドに切り替わるといったパターンが多い。
チェルシーには右から切れ込んで左足で打つようなプレーヤーはほぼおらず、右サイドの攻撃はパスを回してシンプルにFWにクロスを送ることがほとんどだ。
一方の左サイドでは「個」で崩す。
ほとんど決まった形はなく、アザールが比較的自由なポジションを取り、そこにマルコス・アロンソや推進力が武器のコバチッチ、ジョルジーニョが絡む。
ただ特に面白いのは、圧倒的な破壊力を持つベルギー代表のウィングにボールが渡った際の、サイドバックのM・アロンソの動き方だ。
3、マルコス・アロンソの豊富なインナーラップ
1つ目はシンプルなオーバーラップ。
アザールとサイドで対面する相手の注意を集め、彼の切れ味鋭いカットインを手助けする。
2つ目はインナーラップなのだが、このインナーラップでの引き出しの多さがアロンソの真骨頂ではないだろうか。
アザールを内側から追い越してそのままゴールライン際で受けてクロスを放り込むことも、
ボックス内に侵入してクロスのターゲットになったりドリブルで仕掛けたりも出来る。
さらには追い越し切らずにボックスの手前で立ち止まり被カウンター要因としてストッパーになることもある。
サッリが
「アロンソは欧州最高の左SBかもしれない」
と絶賛するだけのことはある。
4、アザールの好調
サッリのアタッキンングなフットボールのおかげでモチベーションが高いのだろうか。
ワールドカップでの勢いそのままに得点を量産するブルーズの10番の存在を忘れてはならない。
ドリブル突破によるチャンス演出から得点まで、左サイドの決定機は必ず彼によって作り出される。
実際、今シーズンのリーグ戦チーム得点数は18点なのだが、アザールは7G3Aと大半のゴールに直接絡んでいるのがその証拠だろう。
最後に
イタリア南部の港町からやってきたイタリア人指揮官のイングランド一年目の大航海は上々と言っていいだろう。
内容、結果共に文句なしだ。
とはいえ過密日程、突然牙をむくボトムハーフ、高い個が揃う上位陣など、プレミアリーグの荒波は激しい。
このままプレミア優勝という最後の港にたどり着くためにも、油断せずにチェルシーという船を操縦しなければならない。