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今季も熾烈を極めたプレミアリーグの残留争い。
あるチームは再びこのトップディビジョンで戦えることに喜びを感じ、
またあるチームは現実を受けられない、といった失望を感じながら終了の笛を聞いた。
降格を回避し見事中位に
試合結果
マンUとトッテナムが残留争い中のチームに敗れる…ストークは降格/プレミア第37節記事はこちらhttps://t.co/Yt3V6Oq8oh
編集部より
「プレミアリーグ第37節が各地で行われ、残留争いが佳境を迎える中で少なからず波乱も生まれています」 pic.twitter.com/xjPNNKlhR8— サッカーキング (@SoccerKingJP) 2018年5月5日
結果的に見れば、今季のクリスタルパレスはその2者のうちの前者に当てはまる。
しかし、今季のパレスはリーグ開幕7連敗を喫した後、実に138日間もの間降格圏に位置していた。普通のチームだったら後者の側に立っていても何らおかしくない戦績である。
この危機的状況から最終的に11位まで順位を上げた今季のパレスの特色を振り返っていくと同時に、来季に向けての展望を考察していく。
1、今季のパレスが残留を果たせた要因
①迅速な監督交代
That’s the season over. 44 points achieved after no goals & no points in our first 7 matches. Remarkable from Roy Hodgson & the boys. #CPFC pic.twitter.com/TBPWAmfdsh
— Nick (@Nick_CPFC) 2018年5月13日
開幕前、パレスはサム・アラダイスの後任として新指揮官にフランク・デ・ブールを招聘し、それまでのパレスの戦い方とは180°異なるハイプレスとショートパス主体の戦術を導入した。
しかし、足元でボールを回しながらプレイすることに慣れていない選手たちはプレスがかかるとすぐに不用意なミスやボールロストを連発。選手達からは自分達のやっているサッカーに疑問を持ちながらプレイしている様子が窺えた。
そしてパレスは開幕4連敗を喫した後、デ・ブールを解任し、伝統的な英国式サッカーを志向するホジソンを招聘。ホジソンの就任後は11勝11分12敗と素晴らしい戦績を収めた。この素早い判断が残留争いを抜け出る大きなターニングポイントになったのは紛れもない事実である。
②ウィルフレッド・ザハの覚醒
Only Eden Hazard (165) completed more successful dribbles during the 2017/18 Premier League season than Wilfried Zaha. (119)#CPFC pic.twitter.com/gJckQlF6QH
— Stat Attack (@AttackStat) 2018年5月21日
昨季もチームの主力として活躍していたが、今季のザハはまさに大車輪の活躍だった。
球離れが良いとは言えないが、圧倒的な個人技とテクニックで相手の守備陣を翻弄するだけでなく、チャンスを仕留めきる決定力も向上。前年度までのサイドでの起用ではなく中央でプレーすることによって得点に直結するプレーが大幅に増加した。
今季わずか3得点と絶不調のクリスティアン・ベンテケの穴を見事に埋め、その市場価値は約2500万ユーロにまで上昇。チームの大黒柱としての地位を確立した彼抜きでは今季のパレスは語れない。
③厚みを増したサイド攻撃
Patrick Van Aanholt’s last 10 games for @CPFC this season:
Goals – 5
Assists – 1
Clean sheets – 4VS. his first 10:
Goals – 0
Assists – 0
Clean sheets – 1What an end to the season. #CPFC pic.twitter.com/lrZS3dHJuF
— Oddschanger (@Oddschanger) 2018年5月14日
前年度と比べ、同格の相手に対してはSBによるオーバーラップの回数が増え、攻撃時にサイドで数的優位を作ることができる回数が増えた。
特にルベン・ロフタス=チークとパトリック・ファン・アーンホルトの左サイドにおいてはその傾向が顕著であり、アーンホルトは第36節から3試合連続でゴールを記録した。
レンタルでの加入のため、ロフタス=チークがチームに残る可能性が低いのは残念だが、アーンホルトの攻撃力が魅力的であるのには変わりない。
もしパレスの試合を観る機会があれば、左サイドで躍動する彼にもぜひ注目して観てほしい。(ポジショニングのミスでよく裏をとられるのが玉に瑕であるが…)
2、来季の展望
まず、ザハがいない場合のBプランをあらかじめ確立することが必要だろう。
ザハが欠場した10試合は今季全て敗戦しているというデータが残っており、良くも悪くも今季のパレスはチームの成績が彼の存在の有無とリンクしていた。
ベンテケが本来の役割を果たせば、ザハの負担を減らすことができるが、チームに所属する前線の選手の層の薄さを考えても補強は必要だ。
現在、ウエストハムのアントニオを狙っているという情報があるが、高い身体能力に加え縦への推進力を出せる彼はパレスにフィットする可能性が高い。彼の獲得は難しいと思われるが、同タイプの選手を獲得して前線のオプションを増やしたいところだ。
中盤センターの配給役をこなせる選手も一人ほしいところだ。ヨハン・カバイェは依然として高い創造性を度々発揮するものの、ピークから下降線を辿る現状を考えると移籍の噂が上がっているアンデルレヒト所属のレアンデル・デンドンケルは獲得しておきたい。
フィジカルが強く大柄で、ボールを散らすのにも秀でており、カバイェにはなかった部分を補うことができるだろう。
Macca: “I want to stay and I would love to finish my career here, I love it. It’s is a great bunch of boys, the fans are amazing, and the manager and everyone around the club has been brilliant since I stepped into the place. I would love to be here for the next numerous years.” pic.twitter.com/8BQyDIpxt9
— E-Crystal Palace (@e_crystalpalace) 2018年5月18日
来季もホジソン政権が続投する可能性が極めて高いため、現状の戦術的なベースがあまり変わることはないだろう。
ザハへの移籍の噂は絶えないものの、今季のペースで勝ち点を積み上げれば夢のヨーロッパの舞台が見えてくる。
「奇跡」を成し遂げた鷲は果たしてどこまで飛翔するのか。来季は更なる風を英国に巻き起こしてほしい。