2018年に初めてプレミアで行われたM23ダービーとは!?

ほとんどのダービーは、地理的な近さ故、引き起こるものだろう。

お互いの距離が近いほど、ライバルとして意識しやすい。マンチェスター、マージサイド、ビッグロンドン、ノースロンドン…

これらはプレミアでの屈指の近距離ダービーだ。

実は、今シーズンからプレミアリーグに登場した近距離ダービーがある。

それがブライトン対クリスタルパレスのM23ダービーだ。

両チームはM23という道路で結ばれており、それが命名の由来だ。

地味な組み合わせに見えるかもしれないが、ファンのライバル意識はプレミア屈指である。

両チームが、プレミアリーグで対戦するのは今シーズンが初めてだ。昨年11月に行われたプレミアで初のM23ダービーは、テレビ放送がなかったことに多くのファンから疑問が寄せられた。それ程、注目度は高い。

 

 

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両者のライバル意識は非常に強い。もしろ、お互いを嫌っている。そのせいか、このダービーには、不可解で可笑しな、数々の事件があった。

今週末に両者が対戦するということで、ダービーにまつわる幾つかの事件を時系列的に紹介していく。

※本記事はFAの記事を翻訳、編集

 

M23ダービーとは?

 

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M23ダービーは、ブライトンとクリスタルパレスのライバル対決である。イギリスの南海岸に位置するブライトンと南ロンドンに本拠地を置くクリスタルパレスは、地理的に非常に近い。

二つの都市を結ぶ国道であるM23が名前の由来だ。

通算成績は、ブライトンの38勝24分37敗とほぼ五分だ。今シーズンはリーグ戦とFAカップで対戦し、ブライトンの1勝1分という結果に終わっている。

元々、ファン同士の熾烈なライバル意識で有名で、大規模な暴力沙汰もたびたび起きる。もはやイングランドにはフーリガンは存在しないが、この対戦では現在でもそれに近い暴走も見せた。

昨年11月のプレミア初の顔合わせ後には、ファンの乱闘騒ぎから15歳の少年を含む6人のパレスファンが逮捕されている。

ブライトンは郊外の自然豊かな土地の中に本拠地があるが、この試合の際には今まででは見たことのない数の警察官が、スタジアム周辺で待機していた。

そんなファン達は、お互いを憎んでいると言ってもいいだろう。

その背景には、クラブ間での様々な事件があったのだ。

 

アラン・マレーの暴走

1976-77年、当時のクリスタルパレス監督テリー・べナルブレスと、ブライトン監督アラン・マレーはほぼ同時期に、それぞれのチームの監督の座に就いた。

二人は選手時代に、トッテナムで共にプレーしていた。前者は副キャプテン、後者はキャプテンとしてだ。

現役時代に副キャプテンのベナルブレスは、自分がキャプテンに選ばれないことに不満を抱いていたという。この恨みは、監督としての二人のライバル心に火をつけた。

このシーズンに両者は5回も顔を合わせることとなる。

印象的な試合は、ブライトンがパレスに1-0で敗れた、スタンフォード・ブリッジでのFAカップ再試合だ。

ブライトンはPKを得てそれを成功させるが、不可解な判定により蹴り直しになった。しかし、2回目のキックを失敗してしまう。その結果ブライトンは、ライバルからFAカップ敗退に追いこまれるという屈辱を味わった。

それだけでは、終わらない。試合後、ブライトンの監督アラン・マレーは判定に激怒した。怒りが収まらない彼は、パレスファンに対し暴言を吐いた。

報復としてパレスファンからホットコーヒーをかけられた彼は、警察にロッカールームへと連行された。報道によれば、その後、彼はパレスのロッカールームに潜入、5ポンド札を床に投げつけ、「お前のチームの価値はこれ以下だ!」とパレスの監督であるベナルブレスに言い放ったそうだ。

アラン・マレーは一連の言動に対して100ポンドの罰金を命じられている。

1試合にPKが5回!? 波乱続きの80年代

1982年には両サポーターを驚かせる事件が起きる。上記で事件を起こした元ブライトン監督のアラン・マレーが、クリスタルパレスの監督に就任するのだ。

もちろん、パレスファンは快く思っていなかった。就任初期からひどいバッシングに合い、ブライトンとのダービーでシーズンダブルを喰らったことで決定的にファンからの信頼を失った。

アラン・マレーは1984年にクリスタルパレスを去った。

1985年の試合では当時のブライトンの選手ゲリー・ライアンが、パレスの選手のタックルにより足の3か所を骨折するという不幸があった。

試合後にはファン同士の大規模な暴力事件も発生した。

1989年の対戦では、PKが27分間に5回与えられるという珍事が起きる。これは今でも破られていないリーグ記録である。

パレスには4回のPKが与えられたがそのうち3回を失敗。しかし試合はパレスが2-1で勝利している。

「M23のプリンス」グレン・マレー

 

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奇しくもかつてM23を騒がせた監督と同じ姓を持つのが、現在のブライトンのエースであるグレン・マレーだ。彼もまた、このライバル対決を盛り上げる。

グレン・マレーは2008年にブライトンに移籍するが、3年後の2011年にフリーでクリスタルパレスに移る。

その数週間後、彼はパレスの選手としてブライトンホームでの古巣対決に出場し、3-1でのパレスの勝利に貢献するのだ。その試合で彼はゴールを決めている。

その翌年には、ブライトン戦で2ゴールを記録する。この勝利でクリスタルパレスはチャンピオンシップの首位に立ち、ブライトンは昇格の夢は厳しいものとなった。

 

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2016年にブライトンに復帰したグレン・マレーは、ブライトンのエースストライカーとして活躍している。

現在のダービーで彼は、両チームのファンから拍手を受ける珍しい選手だ。

若きザハの躍動

2013年、イアン・ホロウェイに率いられた当時のクリスタルパレスは、チャンピオンシップのプレイオフ準決勝でブライトンと対戦した。

試合は2-0でクリスタルパレスの勝利となるが、その試合で輝いたのは、当時20歳のウィルフレッド・ザハだ。2点を決める大活躍を見せ、のちにマンチェスターユナイテッドに羽ばたくこととなる。

現在はクリスタルパレスに復帰し、主力としてプレーする。

 

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現在、彼はブライトンファンからもっとも大きなブーイングを受ける選手だ。

“汚された” 2013年昇格プレイオフ

 

2013年、両チームはプレミア昇格をかけたプレイオフ準決勝で対戦した。

ブライトンのホームで行われたセカンドレグの試合前に事件は起きた。

クリスタルパレスのチームメンバーがドレッシングルームに入ると、床に人間の排せつ物がまき散らされているのを発見する(!?)。

この不可解な事件に対し、ブライトンは調査団を結成して真相解明に取り組むも、犯人を特定することはできなかった。尚、クリスタルパレスは動じることなく試合に勝利している。

真相は1か月後に明らかになった。クリスタルパレスのディフェンダー、パディ・マカーシーが、

犯人は試合当日にトイレまで我慢することができなかった、クリスタルパレスのチームバスの運転手だったことを告白している。

 

おまけ

この写真は、ブライトンの主将ブルーノ・サルトールの壁画だ。プレミアリーグ昇格を記念して、熱狂的なブライトンファンが地域で有名な通りに面する家の壁に、彼の壁画を描いた。

 

 

しかし、写真を見ると、壁画の周りが赤くなっているのがわかるだろうか?

これは本来の柄ではなく、何者かに落書きをされた痕跡なのだ。

 

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この壁画が落書きされているのが見つかったのは昨年の11月だ。11月28日の早朝に、ブルーノの壁画が赤く塗りつぶされているのが発見される。

だがこの日は、両チームが史上初めてプレミアリーグで顔を合わせるまさに当日だった。

町の他の場所でも、クリスタルパレスに由来した落書きが発見されていることから、地元のメディアはパレスファンの犯行と考えている。犯人は見つからず、真実は明らかになっていない。

落書きは、二人のブライトンファンの清掃員によって落とされた。

 

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MiyajimaShin

MiyajimaShin

チェルシーを求めてイギリス留学のできる大学に進学。いろいろあってロンドンではなくブライトンにたどり着くが、そこでブライトンの良さを体感。週末は電車で1時間のスタンフォード・ブリッジへ、空いてる日には歩いて15分のアメックススタジアムへ足を運ぶ。