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2015/16シーズンにホッフェンハイムからリバプールに加入したブラジル代表FWのロベルト・フィルミーノは、しばしば過小評価されることがある。その原因はおそらく、彼の独特なプレースタイルによるものだろう。
彼はアグエロやハリー・ケイン、ルカクら基準点型のCFとは異なる、いわゆる「偽9番」なのだ。
そんなフィルミーノの特徴を紐解いて行こう。
最前線からの激しいプレス
ご存知の方も多いだろうが、リバプールの監督ユルゲン・クロップが用いる戦術として、
ゲーゲンプレッシングがある。
それによってフィルミーノは最前線から相手DFやさらにはGKの位置までプレスをかけている。
豊富な運動量と献身性により、プレミアのFWの中でトップのタックル数とインターセプト数を誇る。
サイドに開いてスペースを作る動き
リバプールには、モハメド・サラーとサディオ・マネというスピードアタッカーがいる。
2人のウィンガーにスペースを譲るかのように、フィルミーノは容赦なくタッチライン際まで寄って行く。
12月のアーセナル戦では
① 左上 カウンターの形でサラーから縦パスをもらう。
② 右上 後ろ向きにトラップして、相手DFを全て自分に向け、真ん中にスペースを作りサラーに抜け出させる。
③ 左下 DFを自分に誘い切ったところでサラーの方向を向く。
④ 右下 適切なタイミングでラストパス。
中盤まで下がって相手CBを釣り出す動き
フィルミーノはサイドに開くだけでなく、極端に下がって来て自身のいたCFの位置を空ける動きも得意とする。
サラーやマネがカウンターから得点をする際、フィルミーノは中盤の位置にいることがしばしばあるのだ。
9月のバーンリー戦
① 青丸のフィルミーノがインサイドハーフのミルナーの隣まで下がって、黄色の丸の相手CBをそこまで連れ出す。
② エムレ・ジャンがフィルミーノの開けたスペースにロングパスを放り込み、サラーが抜け出す。この時サラーについているのはSBで、残っているCBはオレンジの丸の1人だけ。
③ 抜け出したサラーが巧みにゴールを決めた。
2と3で説明した場面で、いずれもフィルミーノが鍵となっている。絶対的なスピードこそないものの、持ち前の「クレバーさ」でポジションを移動し、俊足のサイドアタッカー2人にゴールを譲るのだ。
数年前にゼロトップが流行したが、現在は基準点型の9番タイプが主流に戻りつつある。その中で彼は、チームで唯一無二の仕事をこなす「フォルス9」として、今日もレッズの攻撃の一員を担っている。