まるで「リヴァプールのミラコスタ」!シャンクリーホテルに泊まってきた

       
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ささゆか

ささゆか

Jリーグ横浜F・マリノスのサポーターでプレミアリーグは今シーズンから見始めた超初心者。リヴァプールとそのマスコット・マイティ―レッドを応援するようになった。海外のクラブストアをテーマにした記事やサポーター文化の考察を多く執筆し、サッカートークイベント登壇やメディアへの寄稿など幅広く活動している。サッカーチームのマスコットが大好きで、夢は世界中のマスコットと会って話すことである。

横浜F・マリノス、PSG、そしてリヴァプールFCのサポーターであるささゆかさん(@ice_rosa )。

今回は彼女によるリヴァプール愛溢れるユニークな海外旅行記をお送りする。

とあるホテルに宿泊した際に感銘を受けたそうだが、その内容とは一体…。

書き手

https://twitter.com/ice_rosa/status/1090603545320136704

はじめに

今年の誕生日はパリとリヴァプールの2都市でサッカー観戦旅をした。

その際、リヴァプールで宿泊したホテルがサッカーファンにはたまらない場所だったのでご紹介しよう。

その名も「シャンクリーホテル」

この名前でピンと来た方もいるだろうが、1959-1974年までリヴァプールFC (以下、LFC)で指揮を執り、現在まで続く「強豪リヴァプール」の礎を築き上げた伝説の監督ビル・シャンクリーをモチーフにしたホテルなのである。

シャンクリーホテルの良いところ・悪いところ

このホテルを予約した理由は単純だ。

”手頃な値段で”、”リヴァプールらしい雰囲気で”、”清潔感があり”、”立地が良い”

という条件が揃った中で偶然にもLFCテーマのホテルがあったから。

エクスペディアで残り1室という煽り文句につられて決めてしまった。

そんな理由で決めたにも関わらず、街歩きをすればするほど最高のホテルに泊まることができた実感が湧いてきた。

【シャンクリーホテルのメリット】

●ロンドンからリバプールに行く際の玄関口、”Liverpool Lime Street”駅まで徒歩5分

●市内で一番栄えているショッピングエリア”Liverpool ONE”にも徒歩5分

●大きな通り沿いなのでスーツケースを運ぶのにも苦労せず、治安も比較的良い

●レストラン予約や街歩きのオススメを尋ねられる「ロビーコンシェルジュ」がいる

●2015年オープンなので館内が新しく清潔

●足をのばせるサイズのバスタブがある

最後の項目なのだが、イギリスのホテルはシャワーブースだけの場所も多く、足をのばせるバスタブは本当に貴重なのだ。その前提で…見よこのバスタブの大きさ!

大きすぎて日本から持ってきた入浴剤が1包では足りなかったほどだ。

しかもボタンを押せばジャグジーになる。これは真冬のリヴァプール街歩き後にはたまらないご褒美である。

唯一の難点といえばレインシャワーしかないこと。

(編集部注:レインシャワー…天井に固定されている形の円形シャワー)

ボディソープのCMのモデルになったみたいでかっこいいのだが、シャワーヘッドが完全に天井固定なのでお尻を丹念に洗いたいといった願望は諦めなくてはならない。

その他のこのホテルのデメリットは、

●カードキーでの客室エリア認証がない為、セキュリティに多少の不安あり

●チェックインから部屋まで荷物は自分で運ぶ

●ホテルの構造が縦長な上に廊下に扉が多いので、奥の部屋に宿泊した場合ファミコン版”風雲たけし城”のように扉を超え続けなくてはならない

など挙げられるが、廊下でところどころに飾られたシャンクリーの顔を見ると何でも許せるから不思議なものである。

リヴァプールの街に来ただけでもう気分は高揚しきっているのだが、アンフィールド・スタジアムから部屋に帰ってもなおLFCモチーフに囲まれているのだ…ここが天国か。

まるでディズニーシーを出ても夢が続く「ミラコスタ」にお泊りしたような感覚である。

(編集部注:ミラコスタ…東京ディズニーリゾート唯一のパーク一体型ホテル)

https://twitter.com/ice_rosa/status/1101112850133671936

ちなみに気になるバスアメニティは「ギルクリスト・アンド・ソームス」の備え付け。

近年、エコの観点からも世界中のホテルでボトル入りのアメニティは減少傾向にある。

ボトルを期待していた方には残念だがホテルグループ全体で考えれば素晴らしい環境保護の活動の一環だ。

サステイナビリティの意識があるのは素晴らしいことである。

(編集部注:サステイナビリティ…「持続可能性」または「持続することができる」の意。その対象は広く、社会と地球環境全般を指す。)

まるでシャンクリーミュージアム!内装だってオシャレ

このホテル、現在はビル・シャンクリーの孫が経営しているそうだ。

入口からシャンクリーの写真でいっぱいである。

部屋の内装はシックなカラーでまとめられている。アクセントのチェック柄ライトがなんともイギリスっぽくてかわいい。

大型スーツケースを2人分広げるスペースも余裕。ヨーロッパのホテルでこの広さは珍しい。

廊下の装飾もシャンクリーとLFC一色。

ロビーフロアにはシャンクリーゆかりのグッズが飾ってある。

“Shankly Experience”と題してホテル・レストラン・バーの利用者の誰もが彼の精神や歩んできた道を辿ることができるような作りになっているのだ。

天井には年表、アンフィールドの客席も再現されていた。

リヴァプールには他にもビートルズがテーマにされていたり、タイタニック号がテーマにされているホテルなど魅力的な宿泊施設があるため、シャンクリーホテルに泊まらない人もいるだろう。

そんな時はぜひレストランやバーだけでも利用してみて欲しい。

ロビーエリアを通るだけでこのExperienceは出来るので、カクテル1杯でもシャンクリーを感じることが出来るだろう。時間がある場合はアフタヌーンティーを味わうこともオシャレでオススメだ。

ホスピタリティ抜群!人情溢れるリヴァプールのコンシェルジュ

しばらくロビーで展示品を眺めているとコンシェルジュの男性に声をかけられる。

「君たちリバプールサポーター?」

「そうです、明日の試合を観に日本から来ました」

「つい2時間前までここにジェイミー・キャラガーが来ていたんだよ」

「すごい!そんなこと教えていいの?」

「もう帰っちゃったけどね。せっかく日本から来たなら一緒に写真を撮ろう」

なんとも気さくなコンシェルジュだ。LFC関係者も訪れるホテルとは夢がある。

https://twitter.com/ice_rosa/status/1101114836031700992

話している最中、ウェルカムドリンクのデトックスウォーターとりんごをくれた。丸かじりなんて何年ぶりだろう。

この記事を書いてから知ったのだが、なんと宿泊者向けに”Shankly Tours”と題した複数のツアーが用意されていた。予約すればビル・シャンクリーの歴史を知りながら、試合当日のアンフィールドまで案内してもらえたり、リヴァプールの街中心部を歩いたりなどが出来る上、プログラムの中ではシャンクリーの家族と実際に会ってお話まで出来るそうだ。

【ホテルURL】

https://shanklyexperience.com/tours

初めてのリヴァプール旅行には市内中心部の宿泊をオススメ

これだけの設備を備えた4つ星ホテル、さぞ高いと思われるだろうが…

なんと試合日前日だったので12000円/1部屋であった。良心的…。

試合日になると途端に値段が跳ね上がってしまうのだが、それは市内の別のホテルも同じである。

今回、リヴァプールへの訪問が初めてだったのでアンフィールドよりも街歩きメインで考えてしまったのだが個人的には正解であった。

食事や買い物のことを考えると初心者こそCityCentreエリアで宿を探すことをお勧めしたい。アンフィールド周辺は住宅街で人も少なく、街灯が少なく感じた。また車通りも試合日以外だとそれほど多くないようである。

この街の人情は最高!

リヴァプール旅行をしたと伝えて、サポーター仲間からよく聞かれたのは「訛りが聞き取れたか」という質問だ。

観光地やホテルなどのスタッフはロンドンと変わらず。街の人には訛りの強い人もいたがゆっくり話してもらえれば大丈夫。それどころか、こちらの日本人特有の平坦な英語でも真剣に聞き取ろうとしてくれた。

この場合、「訛りが聞き取れるか」よりも「コミュニケーションが取れるか」と言い換えるべきだ。今回の旅行では100%「イエス」であった。みんな親身になって目を見て話してくれる。

もし不安があれば、YouTubeなどでリヴァプール独特の言い回しや発音は学べるので予習するのも良いだろう。

最後に

港町・リヴァプール。どんな街なのか行くまでは想像がつかなかったが、実際は人情に溢れており、大阪旅行をしているかような高揚感を覚えることができた。

みんな陽気で優しく、心からの地元愛が伝わってくる。それが心地よいのだ。

ドックサイドやクロップアート周辺はサンフランシスコやニューヨークのダンボのような若いアーティストが自由に活躍できるような雰囲気もあってオシャレだし、コンパクトな街の中に多彩な表情が詰め込まれている。3日の滞在では短いと感じるほどに惚れこんでしまった。

イギリスでどこの街に行くべきか悩んでいる人には胸を張ってリヴァプールをオススメしよう。また、その際はLFCの観戦とシャンクリーホテルへの宿泊もぜひ併せて行くべきである。



【了】

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