プレミアのU-23のアナリストに日本人がなる方法とは?(平野将弘さんインタビュー#002)

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カーディフのU21でパフォーマンスアナリストを務めている日本人がいることをご存知だろうか。

平野将弘さんだ。現在21歳の若者はどのような過程を経てウェールズの地でこのような大役をまかされることになったのか。今回はそのルーツをひも解く。

本記事は後編記事である。前編はこちら



パフォーマンスアナリストにとって大変なコーディングとは

1年生の時は座学が中心でしたか?

そうですね。

自分も断れない性格なので、マーサーというイングランド7部のトップチームとU-19を掛け持ちしつつ、カーディフの大学の女子チームの分析もやっていました。

カーディフの大学の方は2年生の11月からやり始めたんですけど、それを始めてからほとんど休みがなかったですね。

データのアウトプットの作業だったり動画の編集をやられるんですか??

そうですね、コーディングが1番大変です。

コーディングっていうのはソフトウェアを使ってシュートやパスをカウントしていく作業ですね。

イメージ的にはオプタのデータを作っているのに近い感覚ですかね??

そうですね。カーディフだと既にそのデータがあって、そのスタッツを自分がどう利用するかっていう話になるのでだいぶ楽にはなるんですけど。

7部だと1つ1つ自分たちで作らないといけないんですよ。

でも本音を言うとそれが1番大変でしたね。最初の方は経験だと思ってわくわくしてたんですけど、最後の方は…(笑)

勿論、さぼったりとかはしたことないんですけど!

ちなみにコーディングする場合、1試合を2回見るんですよね。戦術とアクションに分けてコーディングする必要があるので。

戦術の方でいうと、サイドチェンジが起きた、その場面をレコードする、ライン間にパスが通った、それもレコードするんです、シュートやヘディングの勝率も同じくです。

これを自分一人でやっているので……、本当に大変です。

自分でパスの種類とかによって色分けしたり、工夫はしてるんですけどね。

1試合あたりどれくらいかかりますか??

コーディングとレポート作る作業含めて2日はかかりますね。

うわ…きっつ…。

スタッツを作って終わりなのか、その後の提案もするのかどっちなんですか?

たまに事後作業まですることもありますね。でも大学の授業に支障が出てしまうので、基本的にはやらないですね。

『マーサー』との出会い

大学2年生になって活動の幅が増えたんですよね?

イングランド7部のチームに関しての仕事ですね。

個人的にそのクラブが面白い取り組みをしていると感じていて、日本人に伝えたいです。

なんていうチームですか?

多分ウェールズ語なんですよね。

地名とかは結構独特だったりします。カタカナで「マーサー」ですかね、この場合は。

すごいなと思ったのが、UEFAってグラスルーツの部門で頑張ってるクラブの表彰とかするんですよ。その賞をマーサーが2015年に受賞したので面白さは感じましたね。

具体的にはどういったことですか??

地域との関わりということでいろんなイベントや企画をやったりするんですよね。ただマーサーは本当にお金がないので、自チームでレストランを作って試合ない日には営業してます。

結婚式なんかもしてましたね。あと多分裏でスウォンジーと提携してるので、アンダーカテゴリーのマーサーの選手を引き抜いたりしてます。

ファンイベントでは積極的にサッカー関連のイベントを開いて、子供たちに楽しんでもらえるよう企画してますね。

そういった部分がUEFAに評価されたということですかね。

どこが優れているように感じましたか?

一体感ですかね。コーチングスタッフとして働いている正式な正社員はたぶん4,5人くらいしかいないんですよ。他のスタッフはみんなボランティアなんですね。

お金じゃないんですよね。ほんとに自分達の地域をサポートしたいんだなって感じが伝わります。

そこでインターンのようなものをされてらっしゃったんですか?

2年生の時はそこで分析をやっていました。パフォーマンスアナリストとしてですね。

それって2年生でもすぐにできるものなんですか??

大学がものすごく奨励するんですよね。でも他の地域のもっと下のクラブでコーチやらされたりとか割とあるので、その点では恵まれてますよね。

こっちだったら規模的にJFLくらいですもんね……

カテゴリーはどこでやられてましたか??

トップチームとU-19ですね!U-19の監督が私の1つ上の先輩で、B級ライセンスも既に所持してます。彼はすごいですね。その彼から気に入られて、U-19の分析を任せられた経緯があります。

あっちだと、20~21歳でUー19の監督を務めるのが当たり前って感じですね。

実力さえあれば現場に行ける環境が整ってるんですね!

ウェールズはオープンですよね。協会も頭が柔らかいしなんでも新しいものを取り入れようとする風土があると感じます。

現に代表のアシスタントコーチがTwitterで私も含めいろんなアカウントをフォローして積極的に勉強してますし。

おごらずひたむきに勉強する姿勢から、この国は強くなるんじゃないかな、っていうのは感じますよね。

おごらない姿勢に関してはイングランドも見習った方がいいですよね(笑)

こないだまで1966年の優勝を引きずってましたから(笑)

僕もその姿勢が嫌いなんですよ(笑)でもそれも国民性なんでしょうね。

ウェールズはユーロでベスト4までいったじゃないですか。今度そればっかり言い始めたら、いよいよイングランドの二の舞になっちゃうぞっていうのは忠告したいですね(笑)

もちろんそれによる一体感もあるんですけど、言い過ぎには気を付けてほしいです。

先輩に気に入ってもらったっておっしゃってましたけど、どういう部分が通用するって感じてもらえたんですかね??

Twitterで積極的に戦術とかのつぶやきをしてたのは大きかったんじゃないですかね。

あと、その先輩と出会ったきっかけはウェールズサッカー協会が主催してるキャンプだったんですね。その時に彼がサポートしてくれて、仲良くなったんです。

彼も結構変わったタイプの人間で。あっちの人って居酒屋感覚でクラブとか行くと思うんですけど、そういうのも行かないですし。

最先端の理論や方法論を取り入れたりもしてるし、感覚的に合う部分もあったんでしょうね。お互い北アイルランド人と日本人っていう、外人という共通のカテゴリーもありましたし。

なるほど……!

そういうこともあるんですね!

いろいろと、お話を聞かせていたきありがとうございました。

また、カーディフでの仕事が始まれば、お話を聞かせてください。

はい是非!

ありがとうございました。

ありがとうございました!



【了】

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