前提条件と現状を整理し、現段階ではスールシャールで粘るべき理由を解説(有料記事・全公開)

       
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プレミアパブ編集部

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(前提0)そもそもなぜスールシャールを監督にしたのか

「ユナイテッド・ウェイ(ユナイテッドらしさ)」

を取り戻すという目的も強かったはず。

では「ユナイテッド・ウェイ」とは何か。

正直ここの定義がまだできていないことが、最大の問題点なのかもしれません。

これを定義することは、本来、スポーツダイレクターのはずなのですが、

実態としてシティを見ても、リバプールが見ても、監督にあわせてそのクラブらしさみたいなものが確立されているのが実態です。

そういう意味では、ユナイテッドでいうと、「ファーガソンらしさ」みたいな

●スピーディーで攻撃的であること

●ハードワークを惜しまないこと

●若手の成長

あたりがメインになるとは思います。

ただ、そのあたりは現状、明確に指針は発表されていません。ただそれを取り戻すことが必要というのが、一般的な認識かと思います。

 

(前提1)戦術家としての期待はない

監督のスールシャールや、アシスタントマネージャーのフェランに対しては、

特別戦術家的な側面については期待していなかった。

スールシャールが戦術的な哲学を持っているという話は聞いたことがないし、

フェランもファーガソン時代のアシスタントマネージャーなので稀代の戦術家ではないことは自明だ。(ただし一定の実力があることも保証されている)

よって別にペップやクロップのほどの完成度サッカーが完成するとは思っていなかった。

そこまでの完成度にはならなくとも

少なくとも以下の方針は伝わってきている(※現状機能しているかは別)

●ポゼッションよりカウンター指向

●ただしドン引きはせず、前からプレスをはめに行く

ので、とりあえずは目の前の監督としてはOKという認識だった。

仮にスールシャールに指導力はなかったとしても、フェランがいるので、そこはある程度は保証されている認識でもある。

 

(前提2)一貫性が重要

ユナイテッドのここ数年の迷走の、一番の原因は、一貫性のなさである。

お金がそれなりに使っている。にもかかわらず、ころころと方針が変わってきた。

よって無駄な売買が起こり過ぎている。

デパイ、ルカク、ディ・マリア、ファルカオ…挙げだせばキリがない。

今もっとも重要なのは、目の前の結果よりも

①ユナイテッドウェイを知っていること

②同じやりかたを継続すること

なのである。

幸いなことにユナイテッドは先日、「マーケティング目的よりも強化目的の補強を実施」することを発表した。

 

(前提3)解任条件

なので原則的にはスールシャールに継続してもらいたい。

ただし以下の状態が発生した時は解任やむなしである。

①修復不可能なほどに、選手と監督、あるいは選手同士の関係性が悪化・自信の喪失

ニューカッスルを相手に敗戦するまでは、選手から露骨にネガティブなコメントが出てこなかった。

なので勝てておらず、多少チームの空気は悪かろうと、まだロッカールームは崩壊していないという判断だった。

②降格の危機

まあ、怖いがこれはさすがにないだろう。

 

(現状1)そもそも攻撃的なタレントが弱い

普通にニューカッスルのほうが2列目のタレントは豊富だった。

マルシャルやラッシュフォードは得意なプレーが限られており、リンガードは守備の選手ペレイラ、ジェームズらはプレミアでの実績がない。マタは年齢のせいかパフォーマンスが落ちてきている。

こんな薄すぎる陣容で勝つことがそもそも厳しいのだ。

(追記1)

スールシャールの標ぼうする、スピード感重視の戦い方だと、どうしても中盤の個の打開力が必要ですが、そういうタイプが足りていないという意味です。

例えばリンガードは、守備面のポジションが抜群によく、モウリーニョの下では最高のMFです。

ただ、スールシャールの下では打開力のなさが目立つので、正直、フィットできていない。

という現在のサッカーとのフィット度合いも含めて、現在のタレントでは物足りないというニュアンスになります。

 

(現状2)戦術的な工夫がない

まあ、もう少し組み立ても崩しもパターン化できるとは正直思う。

①監督責任ではなく、選手のクオリティが足りておらず、実現できていない可能性があるので微妙。

仮にも元ファーガソン監督のアシスタントマネージャーであるフェランが現場にいるので、チームの連動が一切感じないのは、コーチ陣だけの問題ではないはず。

②ただどちらにせよ、大枠だけあれば細かい戦術的な部分についてはもともと期待していなかった。

ので、ここはそこまで気にしていないというか、ここを求めていたわけではないので、現在はOK(時間がたてばここも求めたいところではあるが、細かいところを突き詰めるレベルにも至っていない)

 

(現状3)そもそも連動の前にオフザボールの動きが少なく、個人のミスが多い

これは問題だ。

単純な球際の強さや、オフザボールのランニングが少なすぎる。

あるいは単純なキック精度やボールタッチの精度が低すぎる。

考えられる理由としては

 

①オフザボール系についてはルールがないので、どう走ったらいいのかわからない

この場合は、監督の問題(ルール化できていない)と、選手の問題(状況に応じて自分で考えて動けない)という問題がある。

ここをどう判断するのか…という部分はある。

個人的な話で言うと

「スールシャールで行く」

と決めたのだから、スールシャールのやり方でも活躍できる選手を獲得するべきだった。

雑に言うとサッカーIQの高い選手を獲得することで、チームの共通認識が希薄でも、なんとか連動を現場で作れる選手(ジョルジーニョやエリクセン)。あるいはチームの連動とか関係なく、個人の能力で状況を打開できる選手(ポグバやシソコ)だ。

今のプレー強度を感じない問題の原因が①ならまだ救いがある。

現在はポグバに依存しているのは問題だが、2~3人、該当選手を獲得すればすむ話だからだ。

だから僕はずっと以下の主張を繰り返してきた。

②コンディションが悪い

原則的にはないと思う。もしこれだとしたら全く持って意味不明。

何故ならBIG6のどこのチームより、夏の休みが長く、準備できる時間があったからだ。

もしこれなら、コンディショニングが機能するべくフィットネス担当を変えるなり、テコ入れが必要だ。

基本的にない可能性だと思うが、まだ救いがある。

 

③自信を失っている・チームとして戦う意思がない・その他メンタル要因

この場合は救いがない。

最低限、このあたりのモチベーティングはできるとしてスールシャールには就任してもらっている。

ただ事実として、ラッシュフォードは常に自信なさそうにプレーし、簡単なプレーすらミスするようになっている。同様の状態の選手が何人もいる。

③が不調の原因と明らかになれば、スールシャール続投は厳しくなるが…

 

現状4

「ロッカールーム崩壊の予兆が出始めている」

これまで選手からネガティブなコメントが出てくることはほとんどなかった。

しかしデヘアからこんなコメントが出てしまった。

得点力不足を公の場で、批判とまでは言わないが、指摘されている。

このコメントは二つの解釈ができる。

①楽観的に受け取るなら、練習は悪くはない空気の下それなりに行われているが、試合では上手くいかない

②デヘアは怒り(あるいは呆れの感情)を抱いており、チーム内の不和が起こり始めている。

①なら救いがあるものの、②はスールシャール政権黄色信号だ。

 

具体的なアクション可能性1

まずフリーにはトップレベルの監督が少ない。

唯一、ユナイテッド規模のチームで(短期的になるかもしれないが)復調させることができそうなのは、アッレグリだ。

彼は生き物のように連動するチームを作るのが上手い。

ただし本人は休養宣言している上に

①そもそもユナイテッドの選手たちにそれを実現できるか不明(判断力の低い選手が多すぎる)

②いずれにしても「一貫性の欠如」を繰り返してしまうので、避けたい

では、フリーではない、どこかの監督を引っ張るか、誰かがフリーになるのを待つしかない。

 

具体的なアクション可能性2

可能性がありそうで、ユナイテッドの監督にフィットしそうなのは、ライアン・ギグスか。

ただウェールズ代表監督で上手くいっていることもあり、ひっぺがすことに現実味があるかはわからない。

しかもギグスとて、スールシャールの二の舞になる可能性を大いに秘めている。

 

具体的なアクション可能性3

あるいは、スパーズの「脱エリクセン大作戦」が失敗に終わり、ポチェッティーノも解任すれば、スパーズの監督をユナイテッドの監督に…というのはありかもしれない。(たられば、ですので、スパーズファンの皆様、ご容赦ください)

正直なところ、「ユナイテッドウェイ」という部分を知る監督ではないものの、近しい哲学「若手の成長」「攻撃的であること」を持っている監督だ。実績も申し分ない。

まあただ、現状、いくら不調とはポチェッティーノの解任は現実的とは思えない。

 

結論

成績だけみればスールシャールを即解任するべきなのだが、

そもそもスールシャールが根源的な理由と言い切れない状態。

なおかつ後任にふさわしい監督がいない。

という理由などもあり、とりあえずは、スールシャールで行くしかないのも事実だ。

世間ではインターナショナルウィーク後の、リバプール戦後に解任と言われているが、個人的にはもう少し引っ張るような気もする。

実際、William Hillの「次に解任される監督」オッズも、一番人気はスールシャールではなく、エバートンのマルコ・シウバだ。

意外と現地は冷静で、即解任の空気感ではないのだろう。

正直なところ見るのはつらいが、もう少しねばるしかない。

不調の原因が、立て直しができないくらいのロッカールームの崩壊や、自信の喪失ではないと信じるしかないのが実情です。

もし冬にタレントを補強したうえで、立て直せなければ、それはさすがにスールシャール持続は厳しいかもしれないが、まだタレントの補強で「ユナイテッドのサッカーを取り戻すプロジェクト」が上手くなる可能性があるうちは、そこに賭けたい。

 

スールシャールで続ける上での懸念点

最近、スールシャールのコメントがおかしい。

 

はっきり言って、良いパフォーマンスではなかったことは、誰がみても明らかだ。

いくらメディアに本音を言わないものとはいえ、このコメントはおかしい。

振り返れば、モイーズも、モウリーニョも末期になると、「ん???」というコメントが増えていった。

モイーズは「どうすれば勝てるのかわからない」などと不安げにありえない迷言を残し

モウリーニョは「リスペクト リスペクト リスペクト」と自己防衛のために攻撃的なコメントを連発した。

スールシャールの「良い内容だった」発言は、どこか現実逃避的な発言に思えてならない。

今思うと、いつでも笑顔で会見に臨んでいるのだが、これも自己防衛の笑顔だったような気がしてならない。

当時は余裕があるのかと思っていたが。

願わくば、スールシャール自身が、自信喪失していないことを望むばかりである。

仮にそうであれば、さすがにユナイテッドウェイを取り戻すという長期プロジェクトもとん挫せざるをえないのだから。

 



【了】

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