プレミアパブ編集部
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サッカーを声で伝える
“プロフェッショナル”
としてプレミアのサポーターから親しまれているアナウンサー…と聞けば、西岡明彦さんを思い浮かべる方も多いはず。
はじめに
そんな西岡さんは試合中継だけでなく、サッカーゲーム『FIFA』の実況、『Foot!』のコメンテーター、アナウンサー・選手のマネジメント業を行う「フットメディア」の代表取締役社長も務める。
プレミアリーグパブでは、9月27日に行われた西岡さんによるトークイベントで、その半生や会社設立の経緯、ロンドン留学の思い出、サッカーゲーム『FIFA』、プレミア実況現場での裏側について語って頂いた。
その様子を有料サポクラの加入者限定のウェブマガジンで全内容紹介している。
今回は一部内容を特別に無料公開する。
語り手
西岡明彦さん
98年夏、英国ロンドンに渡り、イングランド・フットボールを堪能する毎日を過ごす。ウエストミンスター大学ではメディア論を専攻し、母国のサッカー文化とそれを伝えるメディアの関係や意義を学んだ。最も観戦に訪れたのは、アーセナルのハイバリー・スタジアム。マンチェスター・ユナイテッド奇跡の3冠達成も影響し、プレミアリーグの虜になった。
帰国後、スポーツコメンテイターとしての活動を開始。プレミアリーグの実況を皮切りに、セリエA、スコットランド、フランスなど海外サッカーの実況を数多く経験。またW杯では、2002年日韓大会において因縁のイングランド対アルゼンチンなど9試合の実況を担当したほか、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会も現地からの実況中継を担当した。その実績や経験を生かし、様々な媒体でコラムを執筆したり、雑誌の編集にも携わっている。
J SPORTSの番組『Foot!』ではコメンテイターとして、幅広いサッカーファンに愛される番組に出演している。EA SPORTS『FIFAワールドサッカー』シリーズは、08年から実況を担当。サッカー中継だけでなくゲームにも欠かせない、お馴染みの実況コメンテイターとして活躍の幅を広げている。
(フットメディア社HPより)
内藤秀明
<プロフィール>
1990年生まれ。大阪府出身。「プレミアリーグパブ」運営者。プレミアリーグ専門のサッカーライター。1年間のイギリス留学中に、FAコーチングライセンスを取得。ほぼ毎シーズン渡英してプレミアを現地取材している。日本全国でプレミアサポの楽しいコミュニティを作るのが今の目標。
— 内藤秀明 (@nikutohide) May 23, 2018
八塚浩さんや倉敷保雄さんは凄さはドコなのか
それでは実況の現場の話をお伺いしていこうと思います。まず、1日で最高で何試合を担当するのでしょうか?
やって3試合ですかね。昼間にJリーグをやって、夜に海外の試合を22時ごろから(現地時間の15時)と、3時(現地時間の20時)からで精一杯かな。鉄人と言われる方々は、これを土日の両方でやりますからね。
すごいですね……(笑)
西岡さんから見て、一番体力のある実況の方はどなたでしょうか?
八塚(浩)さんとか倉敷(保雄)さんって、還暦が近づいているにもかかわらずこのタイムスケジュールで仕事してるんですよ。僕が60歳のときにこのライフスタイルを維持できるか考えると、「ちょっとできないかも」と思うんです。
だって60歳になっても、控室で夜中の3時くらいにお弁当を食べて「ヒャッヒャッヒャッヒャッ」って笑ってるんですよ?(笑)
めちゃくちゃ元気ですね!!(笑)
控室にはお弁当とかお菓子が置いてあって、僕は健康のために0時を過ぎたら我慢してるんですけど、あのお2人はお元気です。だから続いてるんじゃないですかね。
この仕事ってサッカーが好きじゃないと務まらないんですけど、平日の準備や深夜の仕事のスケジュールに耐えられる体力が必要です。実際、シーズン中に風邪をひいて休んでる人も何人かいますよ。
そうなんですか!?
いますね!
急遽出演者が変わってるのは、だいたい風邪を引いてます。
なるほど~~。
たしかに鼻声での実況は色々と不味いですもんね……。
そういうのを聞いて
「ちょっと体調悪いのかな」
と感じるときもあると思うんですけど、八塚さんも倉敷さんもほとんどないですよね。
何かを摂生してるというよりは、単純に体力がすごいのでしょうか?
どうなんでしょうか。
ただヨーロッパサッカーの時間に体がシフトしている部分はあると思います。
60代にとっての深夜3時って、逆に起床するくらいの時間ですもんね。
先週の火曜日と水曜日にCLがあったんですけど、その後に
「木曜日にELをやりますか?」
って言われたら僕らでさえ
「これ3日連続か……いやぁ……ちょっと……」
と考えちゃったりしますね。
そうですよね…!
ヨーロッパの仕事しかなければその時間に体を合わせればいいですけど、Jの仕事もありますもんね。
そうですね…。
体力がないと務まらない仕事ですし、根底としてサッカーが好きじゃないとできないです。
夜中の勤務であっても、”好きだからやろう”という人だけが残ってるんじゃないかなと思います。
そう考えると、金子(勝彦)さんってすごかったんですね。
まぁあの方はサッカーが好きですよ……。
今思うと、体力も情熱もすごかったんですね!
そうです。いまは84歳ですかね。
去年イベントでまだ元気にお話されている姿を見て、あらためてすごさを感じました。
『Foot!』収録はプロだからこそなせる業
『Foot!』などの収録はしっかり打ち合わせされるんでしょうか?
あれはやりますよ。VTRやハイライト、インタビューの映像は先に見て、その後にどんな話をするのか打ち合わせをします、やはり時間が決まってるものなので。
『Foot!』は編集なしで済ませられるように収録すると聞きました。
最後のエンディングまで通しでやってノー編集です。ダラダラと話していたら入らないですからね。
あれこそ大変じゃないですか?
実況は目の前で起こっていることを言う一方で、Foot!は台本はあるにせよ時間内を意識しながら話さなければならない。
なかなか難しそうだなと思いながら番組を拝見しているんですけど。
緊張とかされないんですか?
もう麻痺しちゃってるから、緊張はあまりないかもしれません。
収録だと緊張感がないから
「生でいいんじゃない?」
って冗談で言ってます。
通常は夕方に撮るんですけど、もし生放送でやれば怪我人も含めた最新ニュースが入るじゃないですか。
そう言われると、生放送で大丈夫な気もします。何か事情があるのでしょうか?
放送上の事故や、スタジオに入れなかったり、尺が収まらなかったらマズいからなのかもしれません。一応収録は30分でやっています。
僕、一度『Foot!』の収録に遊びに行かせてもらったことがあって。
何曜日ですか?
5年前くらい前、倉敷さんの回です。いつもテレビ越しに見てる倉敷さんが一本撮りでサラッと終わらせてて、これがプロの技なんだと思って。
慣れてくると
「この話はあと何秒で喋りきれるな」
みたいなことが分かってくるものなのでしょうか?
そうですね。解説の人も慣れてるので時間を守ってくれますし、これ以上喋ると間に合わないなと思ったらやめてくれます。それはお互いに分かってるんじゃないですかね。
対談の全文の目次
高校時代はサッカー部。ポジションは?
サッカー実況”独特”の難しさとは
留学先にイギリスを選んだ理由
今はもうない…?アーセナルと地元の密接な関係とは
アーセナルの練習場でアンリ、キャンベルらと写真撮影できたワケ
プレミアの実況をはじめた頃の苦労とは
喋りのプロになるために必要なのは
会社設立の理由と当時のアナウンサー業界
実況アナウンサーの平日の過ごし方
好きだったアーセナルに対する気持ちの変化が…!?
粕谷秀樹さんのユナイテッド戦解説について
八塚浩さんや倉敷保雄さんは凄さはドコなのか
控え室での解説者との会話は!?
『Foot!』収録はプロだからこそなせる業
生放送でのトラブルは…
生き残る解説者が必ず持っているものとは
思わず感極まった瞬間は?「ランパードが…」
仕事以外にスタジアムで遭遇した印象的なシーンは
プレミアで1番熱量を感じるスタジアムは?
知られざる『FIFA』収録での苦労は
プレミアリーグで一番好きな選手、実際に親切だった選手
西岡さんの実況ノートには何が書かれているのか!?
(9000文字)
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