僕とロナウドの旅の始まりと、再会と、終焉

       
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プレミアパブ編集部

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まず初めに読者の皆さんにお伝えすると、

僕は高校一年生の時、ドイツワールドカップにおけるクリスティアーノ・ロナウドの連続シザースに魅入られ、サッカーを観る喜びを知った。

今思うとフットボールへの理解がまだ浅かった。





でもそれで十分だった。彼のドリブル突破と時折みせる右SBミゲルとの連携を見るだけで楽しかった。

ワールドカップが終わり、秋を迎える頃には気づけばなんとなくマンチェスターの赤い方を応援していた。ウイニングイレブンのマスターリーグで使うチームは固定された。

モスクワで不幸なことにジョン・テリーが足を滑らせ、ニコラ・アネルカが自信なさそうな面持ちでPKを外した瞬間、僕の中の一番が決定的になった。

当時の僕は、今でもそうだが、今以上に弱い人間だった。高校3年生の5月。不出来な自分にストレスを溜め込んでいた。だからこそエースがPKを外した後、劇的な展開で優勝を勝ち取った赤い悪魔の強さに惚れ込んだ。

その後アイドルはレアル・マドリーに移籍していった。

好きにしてくれと思った。ロナウドという選手の偉大さを過小評価していた節もあったが、それ以上に自分の中で懸念事項があった。

「僕はロナウドが好きなのか?チームが好きなのか?彼が去ったとしてもきちんとチームを好きでいられるのか」

高校生、まだ愛情の対象が何なのか整理できていないお年頃だ。

心変わりしないか少し不安もあったが、幸い僕は浮気性ではなかったようだ。既に心のベクトルはチームに向いていた。

その後に僕が憧れた強さが失われて行くことを知らず、自分の心が移ろわなかったことを素直に喜んでいた。

 

✳︎✳︎✳︎

 

時は経ち、2013年3月5日。

マンチェスター・ユナイテッドvsレアル・マドリーの一戦が行われた。

僕は興奮していた。

まず第一にオールドトラフォードの記者席に座っていたからだ。隣りの席にはBBCの主幹フィル・マクナルティが座っている。

「天下のBBCがプレス席の隅っこ。よくわからんアジア人の席とは、ファーガソンのBBC嫌いは本当なんだな」

さすがにプレスの席順まで監督の手は回っていないだろうと今になって思う。

ただそんな想像を膨らませながら、喜びを噛み締めていた。高校生の頃から憧れていたサッカーライターの仕事でオールドトラフォードにいることに。

何より、かつてのアイドルはドリブラーからスコアラーにスタイルを変貌させ、白いユニフォームを身にまとい、夢の劇場に帰ってきた。

彼の帰還は、僕の原点との再会だった。

彼がいたから、イングランドに留学し、コーチングライセンスを取得し、ライターの仕事を大学生ながら始めていた当時の僕がいた。

ただ特別な気持ちを抱いていたのは僕だけではなかったようだ。

クラブとファンも彼を特別扱いした。わざわざ歓迎の意を示すために、マドリーのスタメン発表では、背番号順通りにせず、7番を最後に持ってきた。

クラブは「おかえりなさい」と明確に歓迎の意を示すアナウンスを流し、サポーターも盛大で拍手で出迎えた。

話は少し逸れるが、その後の就職活動中に

「あなたの中で人生最高の瞬間はいつですか」

という質問が何度かあった。そんな時、周りの受験生はいつも迷っているようだった。

確かに一番を決めるのは難しい。僕も元来、優柔不断な性質なので気持ちはわかる。

でも僕はこの「一番」に関して迷ったことがここ数年一度もない。絶対的な答えがあるからだ。

あの7万5000人の拍手に包まれた瞬間だ。

その瞬間は何にも代えられない特別な時間になった。

 

✳︎✳︎✳︎

 

その後も僕の中でロナウドは特別な存在であり続けた。

大学の卒業旅行では、彼の故郷、マデイラ諸島にまで、わざわざ足を運んだ。

そこで彼の劣等感や自己顕示欲の源泉に触れた。

日本でいうところのハワイやグアム的な立ち位置の南国における、観光客と島民の生活格差は大きかった。

安直かもしれないが、だからこそ、なのだろう。

彼が自身で作ったロナウドミュージアムも当然行った。

日本のテレビ番組からもらったであろう「ジャンクスポーツ」と書かれているトロフィーと、たらこ唇の人形が、

プレミアリーグのトロフィーと同じように陳列されているのを見つけた瞬間には呆れを通り越して、感心したものだ。

そんな些細な賞賛でも、そこまで嬉しいのかと。

 

✳︎✳︎✳︎

 

そんな僕とロナウドの旅もとうとう終わりを迎えることになった。

2018年10月23日マンチェスター・ユナイテッドvsユベントス。

取材申請に落ちて、急遽、転売サイトで購入することになったが迷わなかった。そこにいなければならないという使命感を前に、48000円という金額は壁にならなかった。

そう使命感だ。見届ければならないという。

スタジアムの周りでは、ロナウドグッズが大量に販売されていた。普段の数倍以上、財布の紐が緩い。コスト意識はふっとんでいた。

買わなければならないという、これまた使命感があった(笑)

早めにスタジアムに入る。なんら特別なことはない、普段のオールドトラフォードだ。キックオフが近づく。ユナイテッドのスタメン発表だ。当然大きな拍手で迎えられる。

きた、ユーベのアナウンスだ。

1番

 

Booooooo

 

3番

 

Booooooo

 

5番

 

Booooooo

 

7番

 

………

 

……

 

 

当然、ロナウドだけ大拍手だ。

もちろんエモーショナルな瞬間だった。

ただ、痛感させられた。

5年前のように、番号を最後に持ってくることはないのだと。あくまで、他の選手と同じ扱いであると。

この瞬間、僕の中で何かの終わりを感じた。

試合終了後にピッチを去る際にも、どこか冷静に拍手している自分がいた。

羨望と興奮というより、

「今までありがとう」

という過去への感謝の拍手だ。

ユベントスとの対戦はまだ残っているし、彼はまだ引退しない。けれども、僕の中のアイドルだった時間は確かに幕を閉じた。

 

✳︎✳︎✳︎

 

ユナイテッドを勝利や優勝に導いてくれてありがとう

 

日々の生活に活力をくれてありがとう

 

人生をより豊かにしてくれてありがとう

 

偉大なフットボーラー

 

Cristiano Ronaldo へ感謝の気持ちを

 

内藤より



【了】

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