ファーガソン自伝「人を動かす」を読んだらマンチェスター・ユナイテッドというチームへの理解が深まった件

       
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プレミアパブ編集部

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非常に濃い内容でした。

サー・アレックス・ファーガソン自伝「人を動かす」を読んで

一応、タイトルが「人を動かす」で、マネジメント本という感じに編集はされていますが、マンチェスター・ユナイテッドやプレミアリーグに関する情報のほうが多かったし、面白かった印象ですね。ではその理由を書いていきますね。

クリスティアーノ・ロナウドへのリスペクトを感じる

クリスティアーノ・ロナウドがカラダに一切の装飾を施さなかったことには、別の意味で驚きを覚えた。彼の克己心を雄弁に物語るエピソードだと言えるだろう。

この一文を読んで、ああ確かにロナウドってタトゥーなかったなとか、ファーガソンってやっぱりタトゥー嫌いなんだろうなぁというそもそもの気づきが(笑)。あるいは、タトゥーを嫌う高齢層は「克己心がない」という感じるのかという気づきも。また、ロナウドのパーソナリティ的な強みを知ることができ、ポルトガル代表FW対するファーガソンのリスペクトも垣間みれることもできます。

少し話が逸れますが、ファーガソンのロナウド評価が非常に高く、ロナウドを何度も賞賛しています。まぁ、「そのロナウドを育てたのは私だ」という自尊心にも繋がっているんだろうなとは思いつつも、日本に住んで試合を見るだけでは気づきにくいロナウドの強みを気づくことができ、そういう点でも面白いです。

サッカーを見る上での新しい視点

選手の自信が浮き彫りになるのがサドンデスに突入したPKだ。(中略)例えば、パトリス・エブラは。練習で巧みなペナルティキックをさんざん披露しておきながら、試合では絶対蹴ろうとしなかった。(中略)エリック・カントナはPKを外すと「いったい何が起こったんだ?」と心底不思議そうな表情を浮かべる。自分がPKを失敗するなどありえないのだ。(中略)ロビン・ファン・ペルシー、ウェイン・ルーニーはみな、PKをゴールに思い切り叩き込むのが好きだった。ルーニーなどはむしろ、重圧を力に変えているように見える。

この部分を読むと、「PKの蹴り方や外した時の表情を、これからは注目しよう」という一つの視点が自分の選択肢に加わります。あるいは、ルーニーはプレッシャーを抱え込むタイプだなぁとは前々から思っていましたが、これを読んで思うのは、それをパワーに変えるために、あえて背負って、自分を追い込んでいるふしもあるのかな…とも。選手に対する見方も変わってきて面白いですよね。

ちなみに、PKについて詳しく知りたい人はこんな本もあるので、紹介しておきますね。

マンチェスター・ユナイテッドに対する理解

「奴らより一分でも多くハードワークしろ。そうでなきゃマンチェスター・ユナイテッドじゃない」

このセリフかっこいいよなぁ。このようにマンチェスター・ユナイテッド像がファーガソンの言葉で度々語られています。こういうチームだからこそ、日本人としては非常に悔しいですが、香川真司よりパクチソンのほうがこのチームに馴染み、ファンからも愛されたのでしょうね。

ファーガソン監督の信念

私には、厳しい境遇が生む飢えと渇望こそが、成功への活力になるという不変の信念がある。

この信念を持つようになったのは、ファーガソン自身が幼少期、厳しい境遇で育ったからでしょう。幼少期の厳しい境遇に関しては度々記述に出ていますので、彼の人格がかたどられた過程を覗けたようで、興味深いです。

ゴリゴリのトップダウン指導法

まずボトムアップ寄りの指導や、マネジメントを好む人にはやや受け入れられぬ考えが多いかもしれません。僕自身も「そういう考え方もあるんだなぁ面白いなぁ。受け止めるけど、受け入れはしないかなぁ」とか思いながら読んでいました。

ゴリゴリのトップダウン指導の参考例を覗きたい人はどうぞ(笑)

まぁ、色々書きましたけど、書ききれない内容盛りだくさんでかなり面白かったです。なにより、マンチェスター・ユナイテッドはどういうチームなのか。深くユナイテッドを愛する人々は、なにを喜び、何に怒りを覚えるのかが少しわかった気がします。ユナイテッドサポーターには、必読の一冊です。


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【了】

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