プレミアパブ編集部
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「え、これ入るんじゃねぇの」
岡崎が宙を舞った瞬間。
根拠もなくそう思った。
日本人が英国でヒーローになった日
2016年3月14日。
日本ではホワイトデーが盛り上がっていたかもしれないが、
イギリス、レスターでは日本人がヒーローになった日でもある。
レスターの奇跡の優勝が現実味を帯びてきたシーズン白熱の時期に
日本代表FWのゴールが決勝点となり、レスターはニューカッスルを1-0で下した。
しかも普通のゴールじゃない。
オーバーヘッドを決めて見せたのだ。
その瞬間、僕はバックスタンド中央の最前列に座っていた。
普段は高い席を好むが、レスターに限って言うなら近くで見たかった。
プレミアリーグで優勝しようとしている地方クラブについては高い座席から全体を見下ろし、理屈でどうこう言えるチームじゃない。ロジックで語れない何かを間近で見たかった。
ただ、正直、低い座席からはゴール前はよく見えない。
(コンタクトの度数をもう少しあげておけば良かったかな)
(いや、双眼鏡を持ってこればよかったのか)
そんなことを思いながら、ピッチを眺めていた。
そして、その瞬間は訪れた。
奇跡のスーパーゴールを間近で
サッカー選手としては小柄な日本人が誰よりも早くセカンドボールに反応して飛んだ直後、スタジアムは歓喜の渦に包まれた。
サポーターたちはそれぞれの感情を爆発させる。
僕も驚きと喜びで飛び跳ねてしまう。なにより、同じ日本人として誇らしさもある。思わず叫んだ。
しかも、ただのオーバーヘッドじゃない。ただの決勝点じゃない。
当時のレスターは奇跡を起こそうとしている道中なのだ。
日本経済新聞で現地在住ライターの森昌利氏は、
近年のプレミアリーグではビッグクラブの金満化が進み、「お金がなければ勝てない」というある種の絶望感にもつながっている。もちろん、スーパースターが勢ぞろいしたビッグクラブの活躍は、海外のファンを開拓し、隆盛をイングランドにもたらす。
しかし、英国のサッカーファンの大半は生まれ育った地元の弱小クラブを愚直にサポートし続けている。だからこそ、今季のレスターの活躍は痛快であり、もしも優勝ということになれば非常にロマンチックな話になる。
(中略)
もしもレスターが優勝すれば、今季の戦いはレスターサポーターの間で伝説となる。その中には「SHINJI OKAZAKI」の名前も残る。
奇跡の優勝を飾った栄光のイレブンの一人としてファンの脳裏に深く刻まれ、永遠に語り継がれることになるのだ。
情報源: 英サッカー、レスター首位 奇跡の大番狂わせ信じ :日本経済新聞
それだ。
このゴールも伝説になる。
語り継がれる。
記憶に残る。
永遠に語り継がれる。
そういう、価値のあるスーパーゴールだ。
実際、多くの朝刊は、裏一面(スポーツ欄)に岡崎をチョイスしていた。
うおおおお!明日のサンは岡崎一面か!これは買い。記念買いだな(笑) pic.twitter.com/togoZIT7Y0
— 内藤秀明 (@nikutohide) 2016年3月15日
奇跡を起こせる男
身長?大きくない。
スピード?武器と呼べるほどでもない。
ボールタッチ?たぶん彼より上手い選手はたくさんいる。
失礼を承知で言うなら、彼がプレミアリーグでレギュラーを張っている事実は奇跡に近いかもしれない。
そんな彼がレスターというチームで最終的に、また奇跡を起こした。
15-16シーズン、レスターは最終的にプレミア王者に輝いたのだ。
レスターは、岡崎慎司は、
「奇跡を起こせる」
それを強く感じさせるスーパーゴールだった。