C・ロナウドは天才じゃない。メッシ側というより、岡崎慎司側の選手なのかもしれない。

       
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プレミアパブ編集部

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欧州旅行1ヶ月のうち、半分が過ぎた。



この2週間はクリスティアーノ・ロナウドとの接点が多い旅だった。生まれ故郷のマディラ諸島に行き、プロしてデビューしたスポルティング・リスボンで試合を観戦。その後、マドリードダービーで、現在の生のロナウドをおよそ3年振りに見た。
そして、思った。
ロナウドって本当に天才なんだっけ?
実は不器用ながら、自分の限界を追い求めて、追い求め続けながら足掻いている泥臭い選手なんじゃないのか。
正確に言うと、マンチェスター・ユナイテッド時代のロナウドは、まだ天才肌の選手だったと思う。今ほど筋肉量はないポルトガル代表MFは、瞬発力や派手なテクニックを駆使し、ドリブルでDFを翻弄していた。そのありのままの姿は楽しそうだったし、気持ちよくプレーしていたような気がする。もし、彼の向上心の根底にコンプレックスがあったとしても。
ロナウドのコンプレックスに関しては
参照:ロナウドの像の”あそこ”は何故こんなにもっこりしているのか
それでも、徐々に徐々に。楽しそうだった彼が、何かに侵食されるかごとく、尋常ないレベルで結果を追い求めるようになった。きっかけは、

「彼(メッシ)とのライバル関係は、僕の人生の一部でありポジティブなことだ」

情報源:C・ロナウド「メッシとのライバル関係は、僕の人生の一部」 サッカーキング
とロナウド本人も語っているように、それが大きいのだろう。
「あの小柄なアルゼンチン代表FWに、どうすれば勝てるのか」
メッシはまごう事なく天才だ。身長が低いが故に、「ビハインドを背負っている」と思われがちだが、そうではない。瞬発力、バランス感覚は言うまでもないが、実はキック力もある。
技術も申し分ない。止める蹴るは正確。キックは緩急をつけることができて、なによりメッシのドリブルを支えるタッチセンスがある。
サッカーIQも長らくバルセロナでプレーすることで極地に達している。
メッシは化け物だ。宇宙人だ。
それに比べてロナウドはどうだろう。身長とジャンプ力、トップスピードは生まれ持ってあった。でも、10代の頃は線が細く、お世辞にもパワータイプではなかった。
技術はどうだろう。止める蹴るに関して、一定レベルは超えているが、メッシほどだろうか。強く蹴ることに関しては今でこそワールドクラスだが、徐々に向上させた印象だ。しかも、実はボールの緩急をコントロールすることは、今でも得意ではない。結果として、メッシほど味方を生かすパスは出せない。
サッカーIQに関しては、特に低いとは言わない。むしろ高い。でもメッシには至っていないように思う。状況に合わせてプレーを変えるというより、自分が最高のプレーを発揮するための動きを愚直に続けている。柔軟性という部分に欠ける。
0-1で敗れたマドリードダービーでも、サイドに流れて速いクロスを送る、あるいはクロスに競り合う。自分の得意なプレーを続けていただけだ。そして空回った。
ロナウドは天才じゃない。言い方を変えよう。メッシほどの天才ではない。
でも、ロナウドはメッシと同じレベルの、世界最高峰の選手だ。彼らは肩を並べている。
ロナウドは削ぎ落とした。メッシに追いつくために、必要ではない能力。瞬発力、柔らかさを。そして、磨いた。メッシに追いつくために、得点能力のための…身体的な強さを、キックパワーを。
MF寄りのプレイヤーだった若者は、筋肉量を増やし、スピード、高さ、パワーを兼ね備えたFWに進化した。MFとしては、メッシの域に到達できないと考えたのではないだろうか。
彼は結果を残した。彼自身が結果を残すことを求めたからだ。そして、結果を残すことで、周りを黙らせた。
周りを黙らせることで、また一つを捨てることができるようになった。次は守備だ。そうすることでさらに結果を残すことに成功し、同時に結果を残さなければならないようになった。結果に追い込まれた。
その好循環の上で、いや、ギリギリのバランスの上で、ロナウドというワールドクラスの選手は成立している。
ロナウドのキャリアは華やかだ。だからこそ、勘違いされてきたのかもしれない。彼の本質は、メッシという壁を目の前に挫折と苦悩の連続だったのではないのか。特に2009年から4年連続でバロンドールをアルゼンチン代表MFに譲った時は苦しかったはずだ。
メッシは天才だ。ありのままの彼でワールドクラスだ。
ロナウドは違うかもしれない。自分の能力に限界を感じ、取捨選択をしてワールドクラスになった。
それは、技術も、スピードも、パワーもトップレベルではない。だけど、考えて、考え抜いて自分の生き残る道を模索し続ける、日本代表FW岡崎慎司に近いものがあるのかもしれない。
清水エスパルスで三番手だった彼が、現在プレミアリーグ制覇に最も近いチームでレギュラーとしてプレーできているのは、ロナウドと同じく、取捨選択をして、一点特化でここにたどり着いたからだ。
それでも、彼らは、彼らが臨むトップクラスの世界で活躍している。
メッシが上?ロナウドが上?
そういう上下の話ではない。ただ言いたかったのは、僕はロナウドような尖った選手を見ていると無性に応援がしたくなる。かっこいいなと思う。彼はこれから、キャリアの終盤を迎える。尖ったスタイルを貫くのか。あるいは、また変えるのか。まだまだ、ロナウドという努力で成功を勝ち取った選手から、目を離せない。



【了】

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