プレミアパブ編集部
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元々カウンター時のクロスの精度が高く、
ボックス付近で違いを作れる選手だったケビン・デブライネだが、
2017年ペップ政権のシティでさらに一皮むけた。
違和感があるボールタッチ
2018年1月12日時点でリーグ戦22戦で6ゴール9アシスト。
文句なしの結果を残している。
以前からデブライネのプレーを見ていて一つの違和感を覚えていた。
ほれぼれするような正確なクロスを蹴れる一方で、
ボールを保持しているシーンではどこかたどたどしく見える。
それが何かわからず歯と歯の間に魚の小骨が挟まったような気持ち悪さを感じながら
デブライネのプレーを見ていた。
気づきは日本代表対ベルギー代表の一戦
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さらに違和感を覚えるプレーが日本代表対ベルギー代表の一戦であった。
先日リーズへの移籍が決まった日本代表MF井手口陽介のプレスを、
いとも簡単にデブライネがツータッチでかわしていたプレーだ。
ワンタッチで井手口の逆をとったのではない。
一回止めたあと持ち出すという一見なんでもないプレーでかわしていたのだ。
読者の皆さんがご存知の通り、井手口は球際の強さに定評のある選手。
そんな井手口がツータッチで簡単にかわされるのには理由があるがず。
スロー再生で確認したところ、これまでのすべての違和感に気づいた。
デブライネはファーストタッチで体の真下にボールを止めていたのだ。
以下の写真のようにだ。
デブライネの癖とは
従来トラップする時は、次のプレーがしやすい位置に止めるのがセオリーである。
例えばもらった横パスを前方に運びたいのであれば、利き足の少し前におく。
そんな場面でもデブライネは一旦、体の真下にボールを置く癖がある。
本来足元過ぎる場所にボールを置くと
ボールに強くインパクトできない上に
単純に蹴りにくい。
サッカーをやっているなら誰しもが感じる感覚だろう。
なおかつ利き足の近くではなく、両足の真ん中にボールを置くということは
両足のキックに自信がないとできない芸当でもある。
例えば、左足が苦手なプレイヤーが左サイドでボールを持っていて前方からプレスを受けた場合、
右足の前にボールを置いていればアウトのキックで横パスに逃げられるが
真ん中に置いていれば一度、持ち替える必要がでる。
プレーに無駄が生じてしまうのだ。
癖の恩恵とは
ただデブライネはそれをそこまで苦にしていないようだ。
ミドルを打つ時はさすがに持ち替えるようだが、
縦パスを当てる程度なら膝下の振りだけで十分強いキックを蹴れている。
本人もなれているのか蹴りにくい素振りもない。
それどころか、普通に止めて蹴る場合より、若干近い位置にボールがある分、
若干早いタイミングでボールにインパクトできるため、
そのリズムの齟齬を利用して縦パスを通しているようにも見える。
トーキックでGKの虚を突いてシュートを決めるのと同様だ。
また、いったん足元の真ん中にボールを止めるということは
次にプレーが何かを相手に情報を与えないことも意味する。
もしかすると井手口がかわされたシーンでもその情報のなさに躊躇し
デブライネのかわすというプレーを読めなかったため、
ブレーキをしてドリブル突破に備えるという判断が少し遅れたのかもしれない。
また、常に足元にボールを止めているためにもはやボールを見なくても
どこにボールがあるのかわかるのだろう。
視野確保のためのルックアップもしやすいはずだ。
癖の欠点
とはいえ、一旦止めることに変わりわない。
引いた相手を崩す場合、そのワンタッチの一瞬で相手が守備のほころびを修正されてしまう。
またクラブの先輩であるダビド・シルバのようにワンタッチで相手の逆をついてかわして抜き切り、
相手の守備をずらして綻びを作るプレーなどはそこまで多くはない。
シルバ比較でいうと、スペースを探すのに時間がかかっているように見える。
シルバの視野の広さが凄すぎるだけと言ってしまえばそれまでだが、
そこも早くなればさらに怖い選手になれるはずだ。
最後に
いずれにしても今プレミアリーグで
最も警戒すべき選手であることに変わりない。
独特のボールタッチやピンポイントクロスなどを披露し
ピッチ上で活躍する姿を今後も見せて欲しい。