【序章#002】「好きを仕事に」 〜ノーキャリアで夢の「サッカー解説者」になる過程を全開示〜(文・内藤秀明)

       
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プレミアパブ編集部

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ある種の僕らしさが伝わるエピソードであり、今回、自分を振り返るきっかけになった時間のことをまず共有したい。

先日、立命館大学時代の先生と約10年ぶりに話をしていた。その先生は、僕が1年生の時の英語の先生なのだが、2010年という早い段階でTwitterの存在を教えてくれたり、最初に留学を推薦してくれた先生ということもあり、僕にとっては間違いなく恩師だ。

ただ僕は、その先生にとって優良学生だったかというとそうでもない。毎日のように朝まで欧州サッカーを見ていたこともあって、その先生の授業を遅刻ばかりしていた。僕の学部では英語のような必修の授業が1限に入ることが多く、僕のライフスタイルとは相性が悪かった。

そんな僕を見かねた先生は「そんなにサッカー好きで、毎週毎週、一限の俺の授業遅刻してくるなら、もういっそイギリスに1年くらい留学してこいよ」と当時の僕に呆れながら言ったらしい。

留学は大学に入学する前から意識をしていた。1年という長期は考えたことはなかったが、僕にとっては魅力的なアイディアだった。お金のことはわからないが奨学金を取ればなんとかなるだろうと、すぐに自分で色々調べはじめた。幸い、学部の中にはイギリスに留学し、英下部リーグでプレーしたことがある先生もいた。僕の担当の先生ではなかったが、研究室に突撃して、知識ゼロの状態で何をすればいいのか聞きに行った。

改めて振り返ると、僕は良くも悪くも昔から、素直とも言うし、衝動的とも言うし、アホだった。

冒頭の英語の先生からは、先日のZoom中に「似たようなアドバイスを何人もの学生にしてきたけど、翌週には留学の準備始めて、ほんまに1年休学して留学した学生、10年間で内藤君くらいやわ」とおそらくお褒めの言葉をもらった。面白そうなことがあると動かずにはいられない性分だったのだ。そしてその後、自身のキャリアを振り返る投稿を勧められたことが、本稿を書くきっかけでもある。

話を戻そう。ちなみに留学に関しては、ただ面白そうというポジティブな理由だけで留学を意識したわけではない。当時の僕はとにかく焦っていた。

きっかけは、ありきたりだが大学受験だった。思うように成績が伸びず頭を抱えた。ただ「努力が報われなかった」などという話ではない。頑張ることすらできず、ひたすらに怠惰な日々を過ごしていた。論外だ。自分のそういう部分は本当に嫌いだったし、直したいと思っていた。でも自分ではどうしようもなかった。

結局、大学進学前の僕は、「好きなことを仕事にする」という、これまたありきたりの方法で自分の怠惰さの改善を測り、一定の成功を収めた。

こう書くと簡単だが、この決断に至るまでの紆余曲折もあるので、もう少しゆっくり僕の過去を振り返らせて欲しい。

まずは「没落成金の3代目」という僕のユニークな家庭環境に関してだ。

(連載: ノーキャリアで夢の「サッカー解説者」になる過程を全開示

(次回:「没落成金の3代目」は後日公開)

 



【了】

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