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アーセナルのダビド・ルイスはCBでありながら両足を器用に使いこなすことができる。
しかしその“武器”が実際にチームになにをもたらしているのかに関しては、大きく触れられる機会は少ないかもしれない。
「知っていそうで意外と知らない」、両足を使えるCBがチームにもたらすメリットに今回は焦点を当ててみる。
書き手
メディア部・I
プレミアパブ会員。メディア部所属。
2ndレグだけ強いアーセナルを応援してはや10年。
令和の間に優勝が見たいです。
ファン・ペルシーとラムジーが好きです。
はじめに
ダビド・ルイスの両足の精度はプレミアでもかなりハイレベルな部類だ。最終ラインではパスが少しでもずれると即失点に繋がるため、CBであれば常に利き足でボールを触りたいところだが、彼は躊躇なく両足でパスを蹴り分ける。
一般的に前線の選手に比べて後方の選手はそこまで両足が使えることは求められていないことが多い。
前のポジションでは360度、四方八方からプレッシャーを受け、ボールを持てる時間が制限されるのに対して、最終ラインでは常に前を向いてボールを受けることができ、比較的余裕があるので利き足に持ち替えることができるからである。
しかし両足が使えるルイスのプレーに注目してみると、明らかに他の選手にはないメリットを享受していることがわかる。
そこで、今回はルイスのプレースタイルをとおして、CBの選手が両足でボールを扱うことができる利点について書いていこうと思う。
パス時に回転の使い分けができる
1つ目のメリットが、状況によってボールの回転を使い分けたパスを出せることだ。
例えばCBからSBに出すなにげない横パスも、どのような回転がかかっているかで次のプレーの精度が変わってくる。
SBが相手に寄せられている時は、自分の足元に戻ってくる回転がかかっていると、相手から数センチ遠いところでパスを受けることができる。
また、ボールが自分に近づいてくることで、一瞬ボールから目を離すことができ、その分視野の確保ができるようになる。
逆に相手が近くにいないときには、ゴール方向への回転がかかっていると、SBは次のプレーにうつりやすい。
片方の足しか使えない場合だと、回転の種類を変えるのはかなり難しいが、ルイスは状況に応じて蹴る足を使いけて、味方がプレーしやすいように工夫している。
もしルイスのプレーを見る機会があったら、ぜひ“回転の使い分け”にも注目してもらいたい。
パス出しのタイミングが豊富
2つ目のメリットとして、パスのタイミングを逃さないことが挙げられる。
例えば、逆足に自信がない右利きの選手の左側にボールがあるとき、右足に持ち替えるのがセオリーだろう。
しかし持ち替えるには余分なタッチをしなければならず、その分時間がかかる。もし、その時に味方が良い動き出しをしていればパスのタイミングを逃すことになる。
あるいはルーズボールへの対処時などで、ダイレクトでパスを出せればチャンスになりそうな場面があったときにも、両足が使えるかどうかは明暗を分ける。
後は筆者もそうであったのだが、逆足が苦手な選手が逆足で蹴ろうとすると、一度視線を落としてボールの位置を確認しなければ蹴れないことが多い。
要するに、スムーズにボールを蹴り出せないので、一瞬タイミングが遅れるのである。これはプロのレベルであっても随所に見受けられる。
その点、ルイスの場合はボールがどの位置にあっても常にパスを出せる状態にあるため、前線にボールを送るタイミングを逃しにくいだけでなく、味方も動き出しやすくなる。
また、両足が使えていつでもスムーズにパスを出せる選手は、相手に寄せられていてもギリギリまでボールの保持が可能になり、その結果、味方の動き直しを待つこともできるのだ。
両足を使える余裕があることは、タメを生むことにつながる。それによってルイスはパスを出せるタイミングがほかの選手より多くあり、それが彼の希少なスキルなのである。
左右どちらにも運ぶことができる
左右どちらにもボールを運ぶことができるのも、両足が使えることのメリットの一つである。
プレスのかけ方として、利き足しか蹴れない選手に対しては、逆足でボールを持つように追い込むのが一般的である。
このとき苦もなく逆足を使えると、ボールの運び出しが容易になり、局面を変えるパスを出すことも可能になる。
また、相手からプレッシャーを受けてパスコースが消されているときに、少しだけ角度を変えればパスを出せるという場面がサッカーではよくある。
そんなときに両足が使えれば、左右どちらにも逃げることができるのである。
ルイスがよく横にドリブルしてパスコースを強引に作るプレーを実践しているが、それは左右両方に逃げられるからこそのプレーだ。
使えるのが利き足だけだと、どうしても同じ方向にドリブルしがちだが、両足が使えることで、状況に応じて最適なスペースにボールを運ぶことができる。これも魅力の1つなのだ。
おわりに
以上が、CBが両足でボールを扱えることのメリットであり、ダビド・ルイスのビルドアップ能力が世界屈指と言われる要因の一つである。
世界トップレベルの選手であっても利き足のみでプレーを完結させる選手は数多くいるので、必ずしもこの能力が必須というわけではない。
しかし、少なくとも両足が使えることで自分の選択肢が増えるだけでなく、味方のプレーしやすさにも影響を与えることは間違いないだろう。
この記事で伝えたかったことは、ダビド・ルイスのビルドアップ能力は素晴らしいということと、両足で蹴れるCBがいれば、確実にチームに利益をもたらしているはずなので、今後試合を観るときには、ぜひその部分にも注目してもらいたいということである。
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