<チェルシー攻略法>ジャイアントキリングに成功したワトフォードの戦術とは

マルコ・シウバを解任し、ハビ・グラシアを招聘したワトフォード。

4-1とジャイアントキリングに成功した

ホームでのチェルシー戦の勝利を解説する。

スタメン​

ワトフォード

ワトフォードは新戦力のジェラール・デウロフェウが先発、

チェルシー

チェルシーの前線3枚はウィリアン、ペドロ・ロドリゲス、エデン・アザールとなった。

ワトフォードのプレッシング

両チーム共に3-4-3を選択したため、マッチアップする相手を捕まえやすくなっている。
それを利用したいワトフォードは、開始からプレッシングを行い、高い位置での奪取からショートカウンターを狙う。

ワトフォードのメンバーの特徴として、ボランチのアブデラウエ・ドゥクレとエティエン・キャプ―は球際に強く、

ウイングのデウロフェウとリシャルリソンはスピードを持った選手というのが挙げられる。

中盤で奪い、前線の速さを生かすという攻撃はシンプルではあるが、非常に脅威となっていた。

リシャルリソンvsセサル・アスピリクエタでは大差はないが、デウロフェウvsギャリー・ケイヒルであればワトフォードに分がある。

また、後方からのロングボールには、中央のトロイ・ディーニーが絶対的な強さを誇る。

彼に当てたところから、3バックのサイド、裏のスペースで仕掛けていくプレーを繰り返していった。


プレッシングより優先していたのは・・・

このように奪ってからの速い攻撃でポジティブな立ち上がりを見せるワトフォードだったが、

あくまでも最優先は高い質を持つチェルシーの前線3人への供給路を断つことである。


リシャルリソン、デウロフェウ(ワトフォードのWG)の2人が優先的に担っていたのは、

ウィリアン、ペドロ(チェルシーのWG)へのパスコースを切るタスク。ドゥクレ、キャプ―のダブルボランチは、

彼らがコースを空けてしまっている場合にはボランチへのマークを捨てて、後ろに下がってカバーをする。

​最も顕著だったのは17分の場面。




ボールホルダーのアングル的に、ウイングバックのアプローチを基準にプレッシングを発動することが多いワトフォード。

ボランチの2人は上図で表したような「奪うor撤退」の判断が非常に的確だった。

彼らの判断ミスが少ないので、プレッシングに行った際に逆を取られることもなく、相手を追い詰めた状態で囲い込むことができる。

ここでは、ダヴィデ・ザッパコスタ→ケイヒル→ティエムエ・バカヨコと繋がった所で、バカヨコにミスが発生。

ワトフォードは奪ってからそのままシュートを放った。スポナビライブで解説を担当していた川勝良一さんも仰っていたが、

左ウイングバックのザッパコスタが右利きのため、ボールを受けた時の角度が厳しくなっていた。

チェルシーは、前線の3枚に良い形でボールを入れることができない。

プレッシングの憂き目に遭ったのはバカヨコ。

彼のボールタッチがおぼつかなかったのも事実だが、ワトフォードの狙い目はこのフランス人ボランチであった。
25分、30分とプレッシャーを受けた状態でミスをしてしまうと、慌ててボールに突っ込んだ所でイエローカードを2枚食らい退場。

チェルシーは前半途中から10人での戦いを強いられた。

10人になったチェルシーの策は

アントニオ・コンテは仕方なくウィリアンを下げ、セスク・ファブレガスを投入。

ペドロ、カンテ、セスクと急造3センターを組むが、やはり守備への不安を感じる構成。ひとまずはこの布陣で戦うことを選択した。

​攻撃時の役割を確認すると、3センターの左側に入ったペドロはアザールと近い位置でプレーしており、

攻撃時3-4-2→守備時3-5-1(5-3-1)可変のような形となる。

セスクはサイドで相手をピン留めし、ケイヒルを浮かせて運ばせようとしていたが、ケイヒルはパスを選択し、なかなか上手くいかない。

守備に関しては、1トップの横に空くスペースから運んでくるワトフォードに対し、3センターの脇に位置するペドロ、セスクの2人が出ていく構造。

ダラダラと前に出ていってしまうと、カンテの守備範囲が広がり、ワトフォードはその周辺で自由にプレーすることができたが、気にするほどでもなかった。

​引いて守るのかプレッシングをかけるのか、どっちつかずになったチェルシー。
ミスマッチ気味だったケイヒルがデウロフェウに裏を取られ、PKを献上する。
トロイ・ディーニーが確実に決め、ワトフォードが先制してハーフタイムを迎えた。

後半のチェルシー

得点が必要になったチェルシー。コンテはセスクを中盤の底に置き、

カンテが左へ、ペドロが右へ移動。システムは5-3-1のまま、セスクを中心にしたパスの循環で試合を運んでいく。

場合によっては、カンテが中央に入ってボールを動かしていた。

その場合はセスクが前に出ているチェルシーは、中央の3レーンに一人ずつ受け手を配置している。



​エンゴロ・カンテがが中盤の底にいれば、

ボールを奪われた後に多少バランスが悪くとも即時奪回も可能だが、

セスクとなると話は違う。

ピッチ中央に広大なスペースを空ける場面が多く、

下の画像(1.2枚目)ではセンターバックのケイヒルが大きく持ち場を離れてチャレンジしたが、

タイミングを見誤って交わされてしまった。

チェルシーはネガティブトランジションに問題を抱えていたが、ペドロ、カンテが死に物狂いで戻れるタイプなので、

そこで何とかなると思っていたのかもしれない。

実際、この2人、特にペドロに関しては何度も猛烈なスプリントで戻ってくる。以下の写真の赤丸は空いたスペースの位置と、ペドロを表している。




肝心の攻撃については、この2つの場面で、ウイングバックが全力で戻っていることからも分かるが、

ザッパコスタ、ヴィクター・モーゼスがかなり高い位置に進出。

中央でアザールやセスクがパスを交換しながらサイドに振り、そこからクロスを入れる形が多かったが、いかんせんクロスに合わせるタイプの選手が中にいない。

こういった中で、64分に負傷したペドロを下げアーセナルから加入したオリヴィエ・ジルーが投入される。

ジル―の高さかアザールの個人技か

ジルーを入れた事で、攻撃時は分かりやすく4バックに変更。

右サイドはモーゼスがウイングのような位置を取り、アスピリクエタがサイドバックとしてサポート。ほとんどが2人を配置した右側からの攻撃になる。

そして最前線にジルーが入ることで、彼に空中戦を勝負させることが増えていった。

センターバック+ボランチの4枚で、最後方に数的優位を作れるチェルシーに対し、ワトフォードは低めの位置で構えるような展開になっていく。


ロングボールやアーリークロスを多用するチェルシーだったが、

連携不足からか、ジルーがまともに競り合うことができた場面の方が少なかった。むしろ、アザールに対して放り込んでいたりもしていた。

結局、ジルーを最前線に張って高さを生かしたというよりは、彼の投入によってアザールがより自由にポジションを変えられることができるようになった、

ということが大きかった。

82分にアザールが個人技で同点弾を叩き込み、試合を振り出しに戻す。

解決できなかったチェルシーの問題点

4バックにしたチェルシーの左サイドにはザッパコスタしかいない。

そこで問題となるのは、攻撃参加してくるダリル・ヤンマートに対してどのように対応するのか、ということになる。

モーゼスが戻ってきて、5バック気味になった際はさほど気にならないのだが、それに移行するまでの間は、セスクがサイドに引っ張り出される場面が多い。

ペドロは交代しているので、セスクが引っ張り出されると中央にいるのはカンテのみになってしまう。




ワトフォードは、守→攻への移行時に右サイドのヤンマートを経由し、

ピッチ中央で数的優位を作って敵陣に殴り込み、

チェルシーの選手たちを逐一押し下げる事に成功していた。

チェルシーは左サイドバックのザッパコスタがヤンマートに出れば、

デウロフェウに裏に走られてピンチを招いた。

筆者の見解では、この現象を放置していたことが失点に繋がったと思っている。

同点直後の場面。その前の流れを見ることができないが、

ここでもボランチがサイドに引き出されて中央を利用されている。


決勝点もチェルシーの左サイドから生まれる。

そこに至る背景はカメラワークの影響もあって読みとれなかったが、

セスクはこの場面でも左サイドへ、中央がカンテ一人になっている。



前提として、2人で対応して中に抜かれているのセスクのディフェンスは問題である。

ヤンマートが突っ込んでくるのは赤で示したスペース。

DFライン前中央を埋めきれないチェルシーは、

センターバックのアスピリクエタが前を狙って出たがために、

DFラインの中央を突っ切られて失点してしまった。その後も2失点し、

最終的には4-1でワトフォードが勝利。

まとめ

バカヨコが退場に追い込まれたチェルシーは攻勢に出るも、
全体のバランスが悪化したところをワトフォードに何度も狙われた。
82分に追いつくなど惜しい試合ではあったが、選手たちにとってはかなりショッキングな試合だったのではないだろうか。
ただ、局面を一人で打開してしまうアザールは圧巻だった。

書き手


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